173 届かない気持ち ページ25
・
仕事・・・か。
接待って響きが
オレには酷く厭らしく思えた
” 遅くなってもいいから、帰っておいで？”
どうしても
うちに帰って来てほしくって、さ
ホントにどうしちゃったんだろう？
ってくらいに、彼女に対しては独占欲が
湧き上がるんだ
・
トイレに席を立ったとき
かずからメッセージが届いてたことに気付く
珍しく早く帰ってたみたいで
あぁ、こんな日に一緒に過ごしたかったな、
なんて思ってみるけど
今日は長くなりそうだから
” ごめんなさい。
接待で遅くなりそうなので
今日は自分の部屋に帰るようにします。”
って送ったのに
かずんちに帰っておいで、なんて
嬉しくって頬が緩む
・
BARをでたときには
とっくに日付は変わっていて
店先で、尾上部長たちを見送った後、
「今日はありがとうございました。」
お礼を言ってさやかさんを見たら
いい感じに酔っ払てるみたいで
さっきまでは
シャンとしてたのに
部長が帰って気が抜けたのか
すっかり酔っ払いの顔になってて
ほんのり赤くなった頬が可愛い、なんて
思っちゃうんだから
仕事に私情を挟むなんて、と
顔を両手で擦って背筋を伸ばし直す
「じゃ、送ってきます。」
そう言ってタクシーを、止めようとする俺に
「あ、大丈夫だから、1人で帰れます。」
「いや、足元ふらついてるし、」
半ば強引に彼女を、タクシーに乗せると
その後から自分も乗り込んだ
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作者名：617 | 作成日時：2015年10月31日 21時
