167 好敵手視察 ページ19
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今週もAに会えなかった
仕事が終わるのが遅いのかな？
まぁ、
年末だしね
うちの親だって
年末は忙しい忙しい、って
やたらと忙しいのをアピールしてきて
晩御飯が手抜きなのを
そのせいにしてる気がするんだよね
店だって
クリスマスケーキの予約も沢山入ってきてて
当日の忙しさを想像すると
既に吐き気がする(笑)
それに
サンタの格好しなきゃいけないんだよね
店長の趣味で・・・
女の子だけでいいんじゃないんですか？
って言ったんだけど
「あんた、カワイイ顔してて
女の子ウケするんだから、
ちゃんと営業スマイルしなさいよ？」(笑)
なんて強制的に着せられる事になったんだ
カワイイ顔とサンタと何のカンケーもないじゃん
・
出張から帰ると
Aが通ってると言ってたケーキ屋さんに行った
撮影の空き時間が3時間くらい出来て
いつもなら
ゲームをしてれば
あっ、と言う間に3時間なんて過ぎるんだけど
ちょっと思うところがあって足を運んだ
帽子に眼鏡にマスク
完全防備で店に入る
ホントは
矢野くんに、「僕が買ってきます。」
って言われたんだけど
Aに買うケーキくらい、オレが選びたいでしょ？
それに、他人が選んだのなんて持って帰れないよ・・・
だいたい、オレがケーキを買ったからって
何の記事にもならないよ？
って笑い飛ばしたんだけど
それでも、矢野くんは苦い顔してたんだよね
「いらっしゃいませ。」
「ん〜
どれが好きなんだろ？」
「お土産ですか？」
えっ？
顔を上げると
店員の女の子が、ニッコリと微笑んだ
あれ？心の声が出ちゃってた？
なんて思いながらも
「あ、まぁ。」
答えると
「こちらは、いかがですか？」
そう言って
新作だという
ピスタチオとベリーのチョコレートケーキを
勧めてくれたから
「じゃ、それ。2個下さい。
・・・あと、お勧めを30個。」
勧められるがままに新作だというケーキと
自分の分だけだと
ちょっと気も引けるから
みんなの分も買って車に戻った
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作者名：617 | 作成日時：2015年10月31日 21時
