160 微睡み ページ12
さっ、と
シャワーを浴びて
冷蔵庫からビールを取り出してプルタブを開けると
一気に半分くらいを飲み干す
「んん〜、んまい、」
テレビとPCとゲーム機の電源を入れると
ぽすん、とソファーに沈んだ
ふと、目をやった先の
テーブルの上に置きっぱなしの携帯
充電しとこうかな？
携帯を手に取り
よっこらせ、
と立ち上がって寝室へと行くと
ドアをそっと開けて中を覗いたら
リビングから差し込む光が
Aの顔に当たるから
慌てて寝室に入ると
後手にそっとドアを閉めた
ベッド脇の充電機に携帯を差し込んで
丸くなって布団に
そっと腰掛ける
ベッドがゆっくりと沈んで
彼女が
ん、て
此方に寝返りを打つと
布団を顔が半分隠れるくらいまで引き上げた
布団から半分だけ出てる
顔にかかる髪を、そっと指で避けると
ふふ、
って笑うから
(えっ？！起きてんの？)
でも規則正しく上下する身体は
完全に微睡みの中で
避けた前髪の隙間から
そっと額に唇を寄せた
(おやすみ)
・
Ｚ z Z ｚ
・
「A？」
かずが私を呼んでる
だけど
いつもなら、Aって呼ぶのに
なんで今日はA？
「A？」
また呼ばれてる
影からこっそり見てると
焦った様子で私を探してるのが
迷子の子供みたいで
カワイイ、なんて思わず笑みが零れた
・
Ｚ z Z z
・
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作者名：617 | 作成日時：2015年10月31日 21時
