８９振り目 ページ2
「実は...________
夢を、見たんです________」
いちの優しい声と共に風が吹いた。
_____
____
__
「若!!若ぁ!!!!」
ドタドタドタと乱暴に聞こえる足音。
途切れ途切れの息で僕を呼ぶ声。
『...長谷部?』
向こうから必死に僕を呼び、走ってくる長谷部の姿。
いつもなら、転ぶから走るなとみんなに注意をする側の長谷部が転びそうな勢いで走る。
「はっ、はっ...わ、若...」
目の前まで来た長谷部は汗だくで、呼吸が整わない。
『おいおい...一旦落ち着け』
「長谷部殿、一体どうなされたのですか?」
荒い呼吸を繰り返し、膝に手をつく長谷部に駆け寄り背中をさする。
「わ、か...落ち着いて...聞いて、ください...」
『?あぁ...』
「実は」
聞かなきゃよかったと後悔した。
信じたくなかった。
知りたくなんてなかった。
わからないし、わかりたくもない。
「若...、先ほど鍛刀部屋で______」
嫌な...予感が突き刺さる。
「三日月宗近が鍛刀されました...」
『え...』
やっと訪れた安息も。
やっと乗り越えた過去も。
『...っ、なんで...今になって...』
「若様...!!大丈夫ですか?」
崩れる僕を支える温かい手。
『〜〜っ!!』
「若様!!」
「若!!どこへ!?」
その手を振り払って無我夢中で走った。
走って走って、段を飛び越えて風を切る。
途中で転んで頬を擦った。
血が出てるかもしれない。
だけど...
だけど!!!!
『母様!!!!!』
((バンっ!!!!
「あら、A!見て貴方。Aよ。大きくなったでしょう?」
『あ...あぁ...嘘だ』
「君がおれの息子か?」
黄色い三日月が紅い三日月を捉えた。
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るな - うぉぉぉぉぉ！！なんだこの物語の深さは！！1日で最初から最期まで見てしまったではないか。罪深い…。続き待ってます (2019年12月7日 17時) (
レス) id: 1850023da9 (このIDを非表示/違反報告)
枕 - やっぱり面白いです！何！？っていう展開がもう楽しみで仕方がありません！( ＾∀＾)頑張ってください！！ (2018年2月18日 23時) (レス) id: a69766f27d (このIDを非表示/違反報告)
郷羅 - ここで父さん来ますか...!(; ﾟ ﾛﾟ)ですが、相変わらず面白いですな!これからも、投稿頑張ってください！ (2018年2月18日 11時) (レス) id: 92b69bfb4a (このIDを非表示/違反報告)
にーちゃ - 凄く！面白いです。続編おめでとうございます！ (2017年11月29日 7時) (レス) id: 14db14b077 (このIDを非表示/違反報告)
真雷(プロフ) - 縁さん» ありがとうございます...ありがとうございます...コメ嬉しすぎて涙が... (2017年10月14日 12時) (レス) id: a71def900b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真雷 | 作成日時：2017年9月7日 19時
