７８振り目(若様の語り９) ページ38
抱きしめて、そばに居るって約束した。
一期は知ってたんだ。
自分が消えること。
『なんで...』
駆け込んだのは最上階。
勢い良く開けた襖から見えるのは赤と白。
「あなたのせいよ!!」
振りかざした資材の鉄が倒れ込んだ一期に降りかかる。
悲鳴もあげずに、ぐっと唇から血が出るほど噛み締めた彼はもうボロボロだった。
『母様!!一期は何も悪くないです!!だから折らないで!!』
僕の声なんて聞こえない母様。
トドメのように最後の資材を手に取った母様に耐えきれず、僕は飛び出した。
『母様やめてください!!!!!!』
ドン!!っと母様を突き飛ばしボロボロの一期に駆け寄った。
『一期!!一期!!しっかりして!!』
「う、ぐ...わ...わか...」
『一期...どうして...どうしてこの部屋に来たのさ!折られるってわかってたんでしょ...?』
「それは...__っ!?若危ない!!!」
『...え?』
そこから意識は途切れ、
目を開けてすぐ一期は消えていった。
"愛してる"って何度も何度も口にして。
ぐちゃぐちゃな部屋の中で残ったのは
いつの間にか握っていたお守りと、
気が狂った母様だけ。
そして、部屋を出た時に待っていたのは絶望の刀達。
こうして皆が震えて、僕に気を使う生活が始まったんだ。
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真雷(プロフ) - れんさん» 長文で丁寧に感想を書いて下さり本当に嬉しいです!!!そんな風に何かを大切にしようと思って貰えるとは…。この小説を書いてて良かったなと思うことが出来ました(´∀`)ゆっくり亀スピードですが頑張って書くのでよろしくお願いします! (2018年3月31日 12時) (
レス) id: 9e8cdb3667 (このIDを非表示/違反報告)
れん(プロフ) - と思いました。とても胸が苦しくなる作品でしたがとても素敵な作品でした。改めて一期一振が大好きになりました。ありがとうございます。 (2018年3月27日 23時) (レス) id: 22fb448192 (このIDを非表示/違反報告)
れん(プロフ) - 一期一振ガチ勢の私には悲しすぎる展開でした。1振り目の一期一振の思いと2振り目の一期一振の思いが交差して悲しい連鎖を生み出す。最終的に1振り目の一期一振ではなく2振り目の一期一振と共に歩む主の姿。この小説を通して改めて自分の本丸の1振り1振りを大事にしよう (2018年3月27日 23時) (レス) id: 22fb448192 (このIDを非表示/違反報告)
郷羅 - 嗚呼､、素晴らしい作品に出会った!ありがとうございます！一日中ずっと泣けました! (2018年2月18日 11時) (レス) id: 92b69bfb4a (このIDを非表示/違反報告)
真雷(プロフ) - 彼方さん» 続編出来ました！おまたせしましたああ！ (2017年9月28日 19時) (レス) id: 06a076d6f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真雷 | 作成日時：2017年1月22日 19時
