７６振り目(若様の語り７) ページ36
呼びかけても、抱きしめても消えない作り笑い。
いつも近くにあった心が遠く離れていくような気がした。
そんな重い日々が続いている時。
誰も起きていない深夜。
急に一期は僕を呼び出した。
『一期!』
｢若...｣
月も星も無い薄暗い縁側に一期は立っていた。
最近は見ていなかった優しくて温かい笑みを零して。
幼い僕はそれがただ嬉しくて一期に抱き着いた。
『どうしたの?』
嬉しさに顔を綻ばせながらそう問う。
すると一期は僕を抱き締め返してこう言った。
「若...私の一生のお願い...聞いていただけませんか?」
『いち、ご...?』
真剣な瞳といつもより低いトーンの声に、
幼い僕でもこれからされるお願いが重いものだとわかった。
『お願い...何?』
なにか嫌な予感がするけど、その感が当たっているのかその頃の僕は敏感じゃなくて。
「若、貴方様は...
私がいなくなっても私をずっと愛してくれますか?」
その言葉に込められた未来予知。
９歳の僕が初めて感じた。
知り得ない恐怖だった。
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真雷(プロフ) - れんさん» 長文で丁寧に感想を書いて下さり本当に嬉しいです!!!そんな風に何かを大切にしようと思って貰えるとは…。この小説を書いてて良かったなと思うことが出来ました(´∀`)ゆっくり亀スピードですが頑張って書くのでよろしくお願いします! (2018年3月31日 12時) (
レス) id: 9e8cdb3667 (このIDを非表示/違反報告)
れん(プロフ) - と思いました。とても胸が苦しくなる作品でしたがとても素敵な作品でした。改めて一期一振が大好きになりました。ありがとうございます。 (2018年3月27日 23時) (レス) id: 22fb448192 (このIDを非表示/違反報告)
れん(プロフ) - 一期一振ガチ勢の私には悲しすぎる展開でした。1振り目の一期一振の思いと2振り目の一期一振の思いが交差して悲しい連鎖を生み出す。最終的に1振り目の一期一振ではなく2振り目の一期一振と共に歩む主の姿。この小説を通して改めて自分の本丸の1振り1振りを大事にしよう (2018年3月27日 23時) (レス) id: 22fb448192 (このIDを非表示/違反報告)
郷羅 - 嗚呼､、素晴らしい作品に出会った!ありがとうございます！一日中ずっと泣けました! (2018年2月18日 11時) (レス) id: 92b69bfb4a (このIDを非表示/違反報告)
真雷(プロフ) - 彼方さん» 続編出来ました！おまたせしましたああ！ (2017年9月28日 19時) (レス) id: 06a076d6f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真雷 | 作成日時：2017年1月22日 19時
