７２振り目(若様の語り３) ページ32
そこから僕と一期はいつも一緒で、片時も離れない関係になった。
父様は
「息子に一期一振を取られてしまった」
なんて言ってたっけ。
それを聞いて僕と一期は笑ってた。
一期一振「それほど仲睦まじかったのですな」
うん...。
幸せだった。
だけどね。
僕が７歳の時。
父様は政府のお仕事で戦場の偵察に行くことになった。
一期一振「はい...(薬研から前に聞いた話だな...)」
父様は護衛として、一番信頼している刀を一振り選んだ。
一期一振「私ですか」
そう。
すぐに帰ってくるって父様は言った。
一期も守るから大丈夫と抱きしめてくれた。
僕は
「いってらっしゃい!」と
母様の手を繋ぎながら小さくなる背中に大声で叫んだ。
母様は少し苦しそうな笑顔で僕を撫でた。
「大丈夫って信じて待っていようね」
そう言って。
だけど
一期一振「...検非違使が出現し、月翔殿は一期一振を庇った。そして月翔殿は...亡くなった」
!!
...薬研か?
一期一振「...はい」
なら話は早い。
血塗れの一期一振を見た時は、
言葉が出なかった。
掠れる声で母様が聞いた。
「月翔は...?」
そしたら一期一振の後ろで
黒いスーツを着た人たちが、棺桶を運んできて。
一期一振の代わりに言った。
「月翔殿はお亡くなりになられました」
「我々の不注意のせいでもあります」
「彼を守れなかったこと、一期一振を傷つけてしまったこと...
深くお詫び申し上げます...」
隣で母様の声が...聞こえたような気がした。
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真雷(プロフ) - れんさん» 長文で丁寧に感想を書いて下さり本当に嬉しいです!!!そんな風に何かを大切にしようと思って貰えるとは…。この小説を書いてて良かったなと思うことが出来ました(´∀`)ゆっくり亀スピードですが頑張って書くのでよろしくお願いします! (2018年3月31日 12時) (
レス) id: 9e8cdb3667 (このIDを非表示/違反報告)
れん(プロフ) - と思いました。とても胸が苦しくなる作品でしたがとても素敵な作品でした。改めて一期一振が大好きになりました。ありがとうございます。 (2018年3月27日 23時) (レス) id: 22fb448192 (このIDを非表示/違反報告)
れん(プロフ) - 一期一振ガチ勢の私には悲しすぎる展開でした。1振り目の一期一振の思いと2振り目の一期一振の思いが交差して悲しい連鎖を生み出す。最終的に1振り目の一期一振ではなく2振り目の一期一振と共に歩む主の姿。この小説を通して改めて自分の本丸の1振り1振りを大事にしよう (2018年3月27日 23時) (レス) id: 22fb448192 (このIDを非表示/違反報告)
郷羅 - 嗚呼､、素晴らしい作品に出会った!ありがとうございます！一日中ずっと泣けました! (2018年2月18日 11時) (レス) id: 92b69bfb4a (このIDを非表示/違反報告)
真雷(プロフ) - 彼方さん» 続編出来ました！おまたせしましたああ！ (2017年9月28日 19時) (レス) id: 06a076d6f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真雷 | 作成日時：2017年1月22日 19時
