【リヴァイ】残酷で美しい世界に【進撃の巨人】 (ページ34)

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＃30　～846年編～ページ34

＿＿＿＿＿＿＿846年＿＿＿＿＿＿＿＿＿

「今日はここで休息をとる。各自、明日に備えて休め」

ここは、最近まで多くの人間が住んでいた街。ウォール・マリア。
現在、マリア奪還を早期に実現すべく、ルートを作る最初の壁外調査だった。

旧市街は、援護班のおかげでどうにか突破し、今は、広い草原に出ていた。
所々に小さな村などが点在するが、当然ながら人の気配はない。

今晩の調査兵団の宿は小さな村の残骸。
そこには、当時、村をまとめる存在だったのだろう、大きな屋敷が一軒と、後は、小さな家の残骸がポツリポツリと建っている。
団長と分隊長、リヴァイ兵長、補佐がいる者はその補佐一名を伴って屋敷に宿泊。
残りは、少数班を組ませ、点在する家に泊まらせる。
いざというときの巨人対策のためだ。

「では、私は、屋敷から一番近い少数班と合流します」

そういって、その場を立ち去ろうとすると、後ろから声がかけられた。

「テメェの肩書は俺の補佐だ。俺と一緒に来い」

「………わかりました」

首根っこを引っ掴まれ、屋敷の中に引きずられて屋敷内に入る。
会議の前に、まず多数ある部屋で、部屋割りを決めなければならない。
当然、上司と部下はセットなので、壁外では男女関係なく部屋を共にする。

リヴァイ兵長とハンジ以外、補佐を連れているものは一人もおらず、私たち二組は2階にある少し広めの部屋を割り当てられた。

「私は会議には参加しませんので、部屋の換気をしておきます」

「あァ。こんな埃っぽい部屋で寝られたもんじゃねぇからな」

「一泊だけなので…掃除はしませんよ」

「わかっている」

「よかった。では、遅れないうちに行ってきてください」

リヴァイ兵長を部屋から送り出すと、とりあえず部屋の換気をするために、部屋のドアと窓を開け放つ。
窓についたカーテンは、随分と汚れが目立ち、少し触っただけで埃が落ちるため外し、ラッキーなことに、クローゼットがあったのでこれ以上埃を舞わせないよう、そこにしまった。

＿＿＿＿＿＿＿寝床をどうしたものか。

ここは、家主の寝室だったのか、大きめのベッドが1つ置かれているだけだった。
とりあえず、こんな埃まみれのマットレスでは寝れたものじゃない。
マットレスを部屋の隅にどかし、土台の埃を払って寝れるくらいきれいにしておく。

このままでは、私の寝床がないのだが…。