夢咲学園！【小説版】 (ページ9)

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天宮咲菜ページ9

私の名前は天宮咲菜。以上、

他に知りたいって言われても教える気ないし、興味ないでしょ。

「…ところで、せいちゃんはどこ？」

さっきから辺りを見回してもいない。

いつもならば授業終わったらすぐ来るのに…

あ、いや別に寂しい訳じゃないんだからね！！！

そうよ、暇潰しがいなくなったからつまらないだけよ。

…でもせいちゃん私と違って友達多いしなぁ…。

いつかちゃんと離れなきゃ。

幼馴染みだからってここまでしてもらう義理はないんだし、せいちゃんの世界に私を入れてほしくないの。

それは、いつか…言おう。

「まぁ、それはそうとして」

どこ行ったかはまた別問題。

仕方ないからせいちゃんのクラスに行こ。

「あの…熊虎正十郎はいませんか？」

「え？…あれ、ごめんね今はいないみたいで」

「そ、そうですか…」

どこ行ったんだろ…？

それからせいちゃんが行きそうな所は探した。

図書館、保健室、庭、体育館…どこを探してもいなかった。

「はぁ…どこ行ったのよバカせい…」

そんな時だった。

目の前に黒猫が飛び出してきたのは。

「あら、可愛いわね」

「ニャオン」

そう鳴くと膝の上に飛び乗りスリスリしてからゴロゴロと鳴きながら座った。

「な、なんて可愛いの…！？」

私、可愛いものとか見るとすぐメロメロになってしまうからダメなのよねぇ…。

「ふふ、貴方のおかげで元気になったわ」

動物には素直になれるのに。

すると黒猫は顔をあげピョンっと飛び降りる。

ちょっと寂しい気分になったけどなんだかついてこいと言われているみたいで。

「…わかったわ、行きましょ」

黒猫に連れていかれた場所は、どの教室にも見えにくいという裏庭の茂みだった。

すると黒猫はだっと走って行く。

「…黒猫ちゃん？」

私も続いて茂みの方へ行く。

「わっ…」

私が不注意で転んでしまったが痛くないことに気づく。

バッと上を見ると…せいちゃんだった。

「ど、どこ行ってたのよ～！！！」

「あ、あらあらぁ？」

私は強く抱き締めた。