夢咲学園！【小説版】

天宮咲菜 ページ13

「片付けが終わるまで待てる？」


そう言われたから頷いた。


....せいちゃんっていつまでたっても私に甘いのよね。


過保護なのよ。まるで、お母さんみたいだわ。


.....いや別に嬉しくもなんともないけどね！！


そう自分に言い訳していると「うるせぇ！！！！！！！」と怒鳴り声が聞こえた。


.....先生？にしてはやりすぎ。


喧嘩、かも。


そう思った私は急いで声のする所に向かう。


モブ「あぁ？うるせぇよ、誰に向かって口聞いてんだ？あ？」


う、うわぁ〜みっともないったらありゃしない。


.....数人でやるなんて卑怯ね。


「一人で勝てないならカツアゲなんて止めたら？」


そう言うとバッと振り返り「誰だてめこら」と言ってくる。


「私は一年の天宮」


そう淡々と言うのが気にくわなかったのか「やれ」と襲いかかってきた。


多分、私が女で一年だったからなめられたのだろう。


きっと相手は上級者には勝てなさそう。


「あーあ、今日は疲れたなぁ....」


モブ「な、なにを訳わからんことを...！」


相手は明らかに困惑してる様子。


そんな中もバッタバッタと人が倒れていく。


「はぁ〜....これじゃゲームよりもつまんない」


そう言うと最後の一発KOで完全勝利。


.....なーんだ。意外にも早く終わっちゃったなぁ。


「いい？この事、せいちゃんに言ったりしたら許さないから」


せいちゃんは優しいから私がこんなことしてるって知ったらきっと悲しんじゃうから。


そう言って戻るとせいちゃんがいた。


「....みんなは？」


「とっくに帰ったわ。さ、私達も帰りましょ」


この笑顔、言葉。


それだけで私は安心する。


....今日も、知らないフリをしてくれてありがとう。


「咲ちゃん」


「ん？」


「えらいえらい」


....本当に、過保護なんだから。

伊勢谷 貅乱→←熊虎正十郎

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