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40: 任し ページ40

家について婆ちゃんに

背中をもんでもらって

薬を塗ってもらって

しばらく休んだら

痛みも引いた。




…机の上には

明日までの課題。



せやのにシャーペンを持つ気が出ん。

自分の頬を両手で支えて

ため息しか出んのや。




A「…なんで、

あんなこと言ってしもたんや」



普段、人から受けた厚意に対して

ありがたいと思うタイプやし

なんも迷惑やと思ってへんのに



「おせっかい」なんて言ってしもた。



理由は分かっとんのや。




『お前普段からそんなんやったら

女扱いされんねんで!?』



その言葉にカチンとしたん。

そんなこと…言われたなかってん。



女の子らしくなりたいと思いながら

全然行動は男な自分がちとズレとるんも

気づいてはいたんや。



…それをばっと言われて

急に、恥ずかしくなって

急に、どうしようもなく悲しくなってん。




A「…結局、薬も返さんで

持って帰ってきてしもたし…

謝らんといけんよな…

いやでも、治くんも怒っとるかも…」



…謝るんは直接の方がええんか?

LINEやら電話で謝ったら失礼よな。

いやでも…明日やと遅いんかな。



…ぷんすかぷんすか怒って

ああ言い放った後一人で

勝手に帰ってきてしもたし







A「うー…」



A「だめや!!謝らんと眠れん!!」



…電話をかけてみたけど


治くんは出んかった。



…神様がちゃんと直接謝れと

試練をくれとるんやなきっと。




…しゃーない。


課題やって、もう…寝るわ












珍しく治くんが休みで。

角名も驚いてた。

治くんが休むのは初めてらしい。




自分は、部活オフやったから

放課後、侑んとこいって

何で休みか聞いてみた。





A「え…熱で休んどるん」


侑「せやねん、俺の風邪多分移ってん

38度近くまであがってな

多分今家で死んどるで」


A「…」


侑「…なんで自分そな悲しい顔するん」


侑「侑クンに会えたやん?」




A「…LINEも電話も出ないんは

具合悪かったからか…」




A「実はな…昨日…治くんに

すごいひどいこと言ってしもたん

から…今日、謝ろ思て…た」



侑「…え!?そ、そな…な、泣かんで!?」



A「…だ、だってな…だって…

だって…治くんに嫌われたかもしれん

…そんなん、そんなん、嫌や…」



A「うう…」



侑「そな…泣くなや…」



侑「…あーもう…


分かった、俺に任し」

41: 夢→←39: おせっかい



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作者名:げんまいちゃ。 | 作成日時:2020年12月26日 3時

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