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33: 逆やろ ページ33

あれから、家でも外でも

なんや信介が距離を取ってくるようになった。




練習は楽しい。

何にも考えずに

打って走って守ってを繰り返す。

グラウンドん中は男も女も年上も年下も

関係ないんや。



『ありがとうございました!!』



いつも通り倉庫で、

ユニフォームから長ズボンとTシャツに着替える

汗びっしょり書いたインナーを脱ぐんは

気持ち悪いけど、気持ちええねん。



A「あっついなあ」



…あ、バレー部も練習終わったんや。

部室からぞろぞろと着替え終わった

大柄な男たちが出てくる。



信介とアランくんも出てきて…

ぱちっと目があう

けど、

特になんも話さんで

信介たちは帰ってった。



気まずいんはわかるけど、

なんや偉い冷たなった気ぃすんねんな。

もう何日たっとん。


どうせ信介のいう"好き"は妹としてやろ


…欲が溜まった時にタイミング悪く

自分が寝ぼけてキスしてしもたから

勢い余ってあないなことしただけや。


そんなん、わかっとるし。




…突き放さんでもええやんか。





今日は智と帰れんから

1人が…さみしく感じた。





治「おー野球部も今終わったんか」


A「?あ、おう、おつかれ」


治「まぁた、こんがり焼けとるな」


A「治くん、1人で帰るん珍しいな」


治「角名と銀はもう帰ってん

ツムは体調崩して家で寝とるわ」


治「そっちこそ、北さんと帰らんの」


A「…」


治「喧嘩か」


A「いや、多分嫌われてん」



じわっと、涙目になるんが分かる。



信介の気持ちも考えんで

自分が寝ぼけてキスしたくせに

信介悪くないのに嫌やなんて、泣いて…



…好きな人とのキスは嬉しいもんなんやろ?



A「治くんの初めてのキスは

好きな人とだったん?」



治「なんやいきなり…て、

そな涙貯めて…なしたん」




A「…傷つけたかもしれん

自分が寝ぼけてキスしたんが原因で

今まで一緒におったのに

急によそよそしくなってん」



治「…ほぉーん…

それで、向こうに嫌われたかもしれんて?」


A「距離とられとる」


治「そりゃーー…逆やろ」


A「逆…?」



ぽんぽん、と治くんは

優しく頭を撫でて…

少しだけ屈んで

自分の顔を覗き込んでくる。




治「俺やったら

もし好きな子と初ちゅーなんてしてしもたら

しばらく顔なんか直視できんわ」

34: 別にええねん→←32: 8割



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作者名:げんまいちゃ。 | 作成日時:2020年12月26日 3時

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