10cm【宮治】【ハイキュー!!】 (ページ31)

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A「…ん、んん…あ!!

も、もう11時やん…あかん寝てたんや」

とりあえず歯を磨いて

今日はもう寝よ。

洗面台でぼけーっとしとると

あることに気づいた。

…なんやろ、これ

胸の上らへんが虫に食われたのか

輪状に赤くなっとる。

ニキビか?

…でもなんも痛くもかゆくもないんがビックリする。

まぁ…胸の上やから服着てたらわからんしええか

A「…て、あれ…信介の部屋電気ついとる」

A「信介?起きとんの??」

信介「…ん、おはよ」

A「おはよぉ、珍し。

こんな時間まで起きとるの」

信介は珍しく机に向かっとるんやなくて

布団の上で携帯をいじっとった。

普段あんま携帯いじるタイプやないから

その光景に少しビックリというか新鮮さを感じる

信介「こっち来」

信介は体を起こして

布団をぽふぽふ叩いた。

から、信介の横にちょこんと座ってみる。

A「ん?」

信介「すまん」

A「何がや」

ぴとっと、胸の上の虫刺されに指をあてて

信介「…コレ、つけたん…俺や」

そないなこというからきょとんとしてしまう。

A「へ?」

信介「スマン、なんか止められんくて

気づいたらつけとってん」

A「え、お、おん…全然大丈夫やけど」

信介「…A」

信介「抱いてええか」

A「へ!?」

自分でも、男が女に言う「抱く」の意味が

そっちの意味やてことはわかる。

から一瞬ビックリして、

何言うとるん!?と思たけど

ふわっと信介の香りが自分を包み込むから

あ…変な想像してごめん、兄ちゃん。

数分間、抱きしめられたままで

信介は満足したように

信介「ありがとぉ」

A「?なんか、あったん?」

信介「…今日告られてん」

A「おぉ…付き合ったん?」

信介「いや、断った」

A「タイプやなかったんか」

信介「…いや、そういうわけとちゃうけど」

信介「好きやなかいから付き合わんかってん」

A「ほぉ、信介らしぃな」

信介「でもなぁ、好きな子に今日

ファーストキス奪われてん」

A「はぁ?!誰やそいつ!!

ずるいで!!信介のファーストキス奪いおって!

て、好きな子おった…ん」

そういった瞬間

優しく自分を包んでくれていたはずの信介の腕が

自分の腰と頭に回ってきて

唇が暖かくなった。