【7章】その力の使い方 ページ48
sideなし
誰一人として絶望しないこの状況にヴェットが驚愕の表情を浮かべている
ヴェット「なぜだ…なぜ絶望しない！？」
アスタ「言っただろォが…そんなヒマねーって
オレには負けらんねーヤツがいるんだ…」
アスタの言葉を聞きながら、Aはヴェットを見つめている
その表情はどこか悲しそうだ
アスタ「オレ達の誓いに、絶望は邪魔だぁぁぁ！」
アスタの後ろに誰かが見える
叶えたい夢がある
信じる未来がある
競い合うライバルがいる
アスタが描く場所に絶望など一つもない
ヴェット「…フザケるな！！はたけば死ぬ虫ケラ共が
キサマらの動きなどもう見切って…」
アスタの動きを捉えようとしたヴェットは、自分自身の異変に気づく
貴(面白い話だよね…
武器を取り上げたはずが、自分の武器を取り上げられてたんだから)
その事実に気づいたヴェットも突き刺さった大剣を引き抜く。その顔には焦りも現れていた
ヴェット「我が負けるはずなど無い
キサマら人間如きに__」
アスタ「オマエは誰にも勝っちゃいねー！
誰か一人でもオマエを前に諦めてたか…！？」
ヴェット「…黙れ！！」
アスタの言葉に我を忘れ向かってくるアスタにその拳を振ろうと力を入れる
その瞬間に感じる悪寒
貴(…マジかよ
ここで、悪魔の感覚！)
同じ五つ葉の魔導書［グリモワール］を持っていて、人間離れした感覚を持っているAだからこそ感じ取れたモノ
獣の本能か、ヴェットもその感覚を感じ取っている
貴(今のアスタは…
"絶望をも喰らう悪魔"
だけど、ヴェットの拳はアスタに向かってる)
Aの瞳に映るのは、獣の本能でアスタを迎え撃とうとしているヴェットの拳
このままいけばアスタの攻撃でとどめをさせるが
それと同じようにアスタの身体も吹っ飛ばされることになる
貴(今なら…できる気がする…
拒絶してたけど
この力は、誰かを守るために使うから
怖いものじゃない
いいだろ？ベルフェーゴール？)
心の中で誰かに問いかけるA
その表情は笑っているようだった
ヴェット(我が人間なんぞに負けは……)
拳を向かってくるアスタに振るおうとするヴェット
だがその拳は
ヴェット(なぜ、動かな……)
ヴェットの困惑も虚しくその悪魔はヴェットの目の前に来た
アスタ「絶望…オマエの…
負けだぁぁぁぁああああ！！！！」
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作者名：ソラ | 作成日時：2020年5月22日 11時
