空に映る感情～ページ５～【ブラッククローバー】 (ページ37)

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【7章】その女の才能はページ37

sideなし

ヴェットとAの攻防を見つめているノエル

ノエル(…Aがすごい人だって事は分かってた

ソッシの村で魔法騎士レベルの魔力を持った三人相手に、優勢どころか余裕を残して勝ってしまったとことか

魔宮［ダンジョン］では、皆が動けなくてあの敵国の相手がアスタに向けて剣を振り下ろした時も
皆が見惚れる剣捌きで敵の剣を叩き切ったとことか

王都襲撃では、白夜の魔眼は逃しちゃったけど全然相手と渡り合えてたとことか

ネアンの洞窟では、私は見てないけど団長と一緒に三魔眼［サードアイ］の攻撃からアスタ達を庇ってたって聞いた

すごい人…すごい魔導士…分かってたけど……こんなにすごいなんて…)

驚きの表情でAを見つめるノエル

笑みがなく、ただ剣を振り、ヴェットはそれを自然治癒で治していく

それでもAはその舞をやめない

Aなら攻撃が治されていくのと同じように
ヴェットはAにまだ一撃を一回も当てていない

ヴェット(おかしい…羽虫如きが我の動きについていけるだけでなく、我が羽虫を捉えられないなど)

"霧雨の正気"の『霧』の性質でヴェットが弱体化しているわけではない。そもそも、ヴェットが纏う魔獣魔法のせいで『霧』の効果はあってないようなものになっている

ならばなぜ、Aはヴェットに当てることができているのか？

思考しているから？
『本能』だけで動いているAにはもう思考する事はできない状態にある

ヴェットの動きが読めている？
三つ目の眼で魔力が上がったヴェットの動きを読めても、その速さについていけるものはいない

ならば…なぜ？

ヤミ「才能を持ってるヤツのことを人は天才だか秀才って言う時あんだろ」

別室でこの状況を見ることしかできない中で、ヤミはポツリと呟いた

大司祭「い、いきなりどうしたんじゃ？」

大司祭の言葉を無視するように
ヤミは目の前の状況に釘付けになっている

ヤミ「天才と秀才の違いは才能の授かり方だと言われてる

才能を持って生まれてきたヤツを『天才』
努力と行動で得たヤツを『秀才』

オレはAを『天才型』だと言ったんだが…ありゃ間違いだわ」

目の前でヴェットと対等に渡り合うその女にヤミはひきつりながら笑った

ヤミ「天才と秀才とは違ってもう一つ
オレの昔いた日ノ国で言われてた言葉があったわ

『鬼才』

人間離れした感覚を持って生まれたヤツ

それが…

Aだ」