空に映る感情～ページ５～【ブラッククローバー】 (ページ34)

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【7章】少女の咆哮ページ34

sideなし

震える手を、震えた足を止めてくれる言葉をくれたのは、ヴェットに髪を掴まれている目の前の少女だった

ヤミ(踏ん張りどころだぞ…ノエル)

目の前の映像をただ見ることしかできない事に、怒りを覚えているのかヤミの拳は血が出そうなくらい強く握られている

それでもヤミは決して目の前の映像から目を逸らさない。自分の団の連中なら大丈夫だと、信じているからだ

その期待に応えるように

ノエルは顔は強張ったままだが
その瞳にはもう恐れはない

大司祭「……！何じゃあ！？海底神殿が震えて…」

海底神殿が震えだす
だがその震えはただの震えでない

覚悟を決めた一人の少女の大量の魔力

ヤミ「やっときやがったな…ノエル！！」

映像を見つめるヤミはそこに写っている少女に笑みを向ける。待ちわびたように、成長を喜ぶように…

ノエル『もう一度言うわ…

私の友達を放しなさい！！！』

強力な魔力をヴェットに向けてノエルは叫ぶ

その魔力を感じ取りヴェットの表情が変わった

ヴェット『キサマ…王族か？』

ノエル『だったら何だって言うのよ…そんなこと今は関係無いわ！！

私は黒の暴牛のノエル・シルヴァ

よくも私の仲間と友達を傷つけてくれたわね！！』

ノエルの言葉にヴェットは、怒りとも笑みとも取れるような表情で掴んでいた少女を投げ捨てた

ヴェット『撃ってこい！！全力でな！！
その罪深き魔［マナ］ごと捻じ伏せてくれるわぁ！』

強力な魔力を全体に込めてノエルを挑発するヴェット
だがもうそんな挑発に恐れるノエルではない

ノエル『言われなくても、アンタは私が倒す！！

水創成魔法"海竜の咆哮"』

ノエルの詠唱により現れたのは一匹の巨大な竜

その力強い魔力を秘めた竜が真っ直ぐとヴェットに向かっていく。ヴェットも負けじと己の魔力を体に纏ったが、ノエルの竜がそれの上をいった

竜はヴェットの腕を引きちぎり外へと出ていく
その力強く海底神殿を進む姿をみた海底神殿の者達は"海神様"と呟いていた

ヤミ「なんつー威力だよ
ノエルてめー、限界超えすぎじゃね？」

大司祭「海神の化身…いや、女神じゃぁぁぁ」

ヤミ(元々潜在能力は半端ねーと思ってたが…ここまで攻撃タイプの魔導士だったとは…)

ノエルを見て嬉しそうに笑うヤミだが、ヴェットの異変にもすぐ気づく事になる

ヤミ・ノエル『「！！」』

倒したと思ったヴェットは額になかったはずの瞳を開けて、不気味に笑った