空に映る感情～ページ５～【ブラッククローバー】 (ページ32)

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【7章】一人の踊り子ページ32

sideなし

【縄創成魔法"巨人の標縄"】

敵が発動した巨大な縄がAに襲いかかる

貴「よっと…」

その攻撃を横へと飛び躱すA
だが、その縄は追尾機能があるのかAの元へと戻ってくる。スピードはそこまで早いわけではないため、軽々と縄を避けながらAは拳に魔力を溜めてその縄に殴りかかった

だが

貴(魔法が…効かない！？)

Aの拳は確かに縄を捉え当てている
だが、その縄はAの攻撃で消滅するどころかどんどん大きくなっている

貴(違う、効かないんじゃない…私の魔力が吸収されてるのか)

Aの言う通り、その縄はAの魔力を吸収していた。そして吸収した分だけその形を大きくしている

貴「私の魔力を吸収して、その分強くなる魔法か」

「セーカイ！！
しかも、"巨人の標縄"はオマエ自身から魔力を吸収してるんジャナイ

魔法であれば何でも吸収しちまうのサァー！！

オマエに勝ち目はないんだよ
さぁ、その顔を痛みと絶望に歪む様をオレに見せてくれよぉぉぉぉ」

愉快にそう高々と叫ぶ男を一瞥して、Aは呆れたように男を見た

貴(そういう大事な情報はあまり言うもんじゃないと思うんだけどなー

いや、この事実を突きつけ絶望に染めたかったのかもしれないな。私からみればラッキー情報だったけど)

Aは縄から遠い場所に移動し一息つく
体制を整えた後、自分に襲いかかる縄を見据えた

「シャシャシャ、諦めて絶望しやがれェェェ」

キィィン

…それは一瞬の出来事だった

Aに襲いかかるその縄が切り刻まれ、Aの足元に散った

「は…何が……だって、魔法は全部…」

何が起こったか分かっていない男は、先ほどまでの余裕な笑みなどなく、ただただ困惑していた

「な、何しやがったぁぁぁ」

困惑と恐れが混じった顔で、男は縄を切り裂いたAへと飛んでいく
そして、その場に佇んでいるAは向かってくる男を冷めた目で見据えていた

貴「自分の自慢の技破られただけで我をなくすとか

本気でつまんねー

【剣舞】」

冷めた目つきのまま握っていた剣を顔の高さに掲げ、Aはポツリと呟く

向かってくる男に剣を突き出すように前に飛ぶ
男はその攻撃を躱したが、Aの脚が男の溝落ちを蹴りあげる

蹴り上けられ空中へと飛ばされる男

その男を握った剣で華麗に切り裂くAは

空中で舞う、ただの踊り子のように見えた