【6章】教えられたモノ ページ16
side貴方
涙が止まったことにより
私は恥ずかしさで顔を両手で覆っていた
アスタ「まぁまぁ、たまには泣きたくなる時もあるって」
貴「うるさいアスタ、黙ってろ」
アスタ「なんかさっきからあたり強くない!?」
泣くなんて久しぶりだったんだよ
何年ぶり…下手したら6年ぶりじゃコノヤロー
歳とったら涙腺緩むって本当だったんだ
緩むどころかぶっ壊れてたわバカタレ
マリー「大丈夫、お姉ちゃん?」
貴「天使かよ」
(大丈夫だよ)
アスタ「多分、現実の声と心の声、逆!」
ゴーシュ「ああ?マリーが天使じゃねーって言いてえのか……殺す」
アスタ「なんでぇぇ」
心配してくれる妹ちゃんの顔で、何とか我を取り戻す
まだ少し恥ずかしい
だけどこのままだとアスタが過労で死ぬか
ゴーシュに殺されるかの二択になるので頑張ろう
貴「ごめん、もう…大丈夫…本当の意味で」
マリー「まだ少し顔赤いよ?」
貴「これは大丈夫なヤツだから
安心してマリーちゃん」
マリー「うん!わかった!」
ニコリと笑う妹ちゃんに心が癒されていく
私は、謎の攻防を繰り広げているゴーシュとアスタを放っておいてテレジアさんの近くによる
貴「さっきはお見苦しいところを見せて申し訳ありませんでした」
テレジア「いいんだよ
…もう、吹っ切れたかい?」
テレジアさんのその言葉の意味を少し考えてしまった
でも、もう大丈夫
私は確かに前に進んでいたんだ
貴「はい」
私の表情が私に見えるはずもないのだが
きっと私は今までで一番、笑えているはずだ
貴「私は、私の進みたい道を歩きます」
愚かでいい
怠惰でいい
心が弱くてもいい
それでもちゃんと分かったから
強くなれるんだって
救えるんだって
変われるんだって
貴「皆が教えてくれたから」
私は笑いながらそちらに目を向ける
テレジアさんも私と同じ方向を見ている
私は『仲間』を見てまた笑った
.
.
.
貴「さて、色々あったけど次は海底神殿かー」
ゴーシュ「あ?なんだそれ」
アスタ「ゴーシュ先輩まだ知りませんもんね
帰ったらヤミ団長から言われると思うんスけど
次の任務ッス」
ゴーシュ「それ、オレも行くやつか」
貴「『黒の暴牛』の任務だから何か理由がない限りは参加じゃないかな?」
ゴーシュ「聞いてねーぞ!!オレにはマリーが…」
貴「はいはい、早く終わらせれば早く帰れるからねー」
ゴーシュ「マリィィィィイイ」
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作者名:ソラ | 作成日時:2020年5月22日 11時