【6章】怠惰は誰 ページ18
side貴方
私は以前ベルフェゴールについて
『私を操って悪いことをしようとかそんなことはなく(よくよく考えたらそんなことするのめんどくさいと考える悪魔である)、現在に至るまで何の問題もなく過ごせてしまっている』
と語ったことがあると思う
そしてまた
『ある意味で悪魔が棲んでいるのだと分かる力があったのだが…使うことはないだろう』
とも…
この言葉に嘘はない
ベルフェゴールは私に何もしていない
逆にいうなら、ベルフェゴールは『怠惰』故に身を預けてくれていると思う
ベルフェゴールは私の身体に(怠惰故に)何もせず
自分の力を(怠惰故に)預けようとしてくれている
それなのに、私は……その力を拒絶した
受け入れたくない、そんな力は入らない
何もしたくない、考えたくない
そんな力を押し付けないで、期待しないで
ああ…もういいや
"怠惰の悪魔"ベルフェゴールが棲む魔導書［グリモワール］を授かったのは
それ以上に"怠惰"な私だった
ベルフェゴールが私を受け入れてくれても
『悪魔』の力はそんな私を受け入れはしなかった
私はベルフェゴールの力を拒絶し
『悪魔』の力は私を拒絶した
暴走を起こすのは必然だった
だがそんな暴走も
訳がわからないことにすぐに方が付くことになる
『何をしている？
…ほう、久々に燃えるではないか』
炎を連想させるような"オレンジ色"の髪
炎とは真反対な色なのに燃えているような"碧い瞳"
太陽のような炎を纏うその"拳"
『貴様は…私を楽しませてくれるんだな？』
誰かれ構わず殺しにかかる戦闘狂
愚直なまでに強さにこだわるその女性に会ったのは
私が魔法帝に初めて出会った三ヶ月後のこと
そしてこの人が、私の考え方を変えてくれた女性だ
.
.
.
懐かしい思い出を思い出していたら、自然と汗も動悸も収まってきた
「ふう」と一息ついて私はその場を立ち上がる
テレジア「……もういいのかい？」
貴「ご心配をおかけしました。もう大丈夫です！」
安心させるようにニコリと微笑みながら、私はまだ回復が終わっていない子に手をかざす
私を救ってくれた人みたいになるために
私の考えを変えてくれた人のような
強くて救える"正義の味方"になると決めたんだ
まだ『悪魔』の力は怖いけど
あの時みたいな拒絶は……もう絶対にしない
.
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神楽 - 読んでいてとても楽しいです。早く続きが読みたい❗️ (2022年7月15日 15時) (
レス) @page16 id: cb0290e542 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ(プロフ) - コクマさん» あ、やっぱり気付きますよね（笑）一応意図的に似せてます！書きながら早くメレオレオナ団長出てこないかなーって思ってます（笑） (2020年5月18日 14時) (レス) id: d346541665 (このIDを非表示/違反報告)
コクマ(プロフ) - 快晴の怒りってなんかメレオレオレナの灼熱腕に似てますよね (2020年5月18日 13時) (レス) id: 63a31e3fb7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソラ | 作成日時：2020年5月17日 23時
