空に映る感情〜ページ３〜【ブラッククローバー】

【5章】違和感 ページ34

side貴方


「あ、ありがとうこざいます」


私が来た場所の最後の避難者を見届けて私は上空へと飛ぶ


貴(少し時間がかかったけど、早くアスタ達の所へ行こう)


"浮雲の自信"にこめれるだけ魔力を込めて猛スピードで急ぐ。感じてしまった"嫌な予感"が私の憶測が当たっているのではと焦ってしまう

アスタ達の所にいるのは4人
アスタ、ノエル、レオくん、そしてフエゴレオン団長

この中に首謀者達が狙っている人がいるとしたら……って……



貴(全員狙われる想定が出来てしまうから、誰が目的なのか分からねー！！)



まず、アスタ以外の３人は王族
『王』が目的ではないのだとしたら、王族である彼等に恨みがある奴らの可能性が高い
しかし、同じ王族であるノエルの兄姉達は空間魔法で連れて行かれてることから"ノエル"を狙っての可能性は低い
"ヴァーミリオン"家を狙った可能性が少し高めだ

そして、アスタ
言わずもがなアスタの使う反［アンチ］魔法を習っての犯行もあり得る
反魔法は使ったものが魔法であるかぎり、その魔法を打ち破ることができる。使い方次第ではどの魔法よりも恐ろしい魔法であるから、唯一扱うことが出来るアスタを調べるために狙った可能性がある

だが、少し違う気がする



貴(もし、本当に首謀者達の目的が"人"なら
なんで空間魔法でその人だけを狙わなかった？
王都を襲う理由がわからない…)



魔法騎士団長レベルの人達が気付かないで飛ばされるくらいの空間魔法の使い手がいるのなら
狙った人物だけを自分達の元へ運ぶこともできたはずだ。だが、それをせずに王都を襲った





貴(もしかして…

個人の目的と
集団の目的が…違う？)





私はずっと、王都襲撃と狙った人物がいるのは首謀者達の目的があるからと思っていたが

もし、王都を狙いたい首謀者がいて
それとは別に狙う人物がいるのなら話は分かる

集団での目的は"人"であり
そして、集団の中での何人かが王都を襲撃したいと我儘を言ったのだろう

そして、それを許したということは
集団の目的は"人"を連れ去ることじゃない
連れ去ることだけが目的なら、目立つ襲撃は避けるはずだからだ

ということは、アスタが狙われているという可能性はなくなる

ノエルの可能性も低いことから





貴(首謀者達の目的はヴァーミリオン家か？)





私はそう結論づけて上空を駆けるが
なぜか私の心は腑に落ちないでいた



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