空に映る感情～ページ２～【ブラッククローバー】 (ページ48)

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【4章】消さない過去ページ48

side貴方

「何なんだ…オマエは…」

自分の攻撃を全くと言っていいほど意に介さない私を見て、男の怒り歪んだ顔がさらに歪んだ

貴「そっちこそ、一体何と戦ってる？」

「……！」

私の言葉に男は動きを止める
何かを思い出してるような、だけどその姿はどこか……苦しそうだ

「…オレは一人でいい
オレには強大な魔力があるのだから」

その声は私たちに言うのではなく、自分に言い聞かせるようなそんな声

『捨て子ごときが、我ら貴族と同等の魔力を持っているからと調子にのるんじゃないぞ』

「魔力のないヤツは弱い…弱いヤツはいらない」

『喜べ捨て子下民
貴様のそのもったいないほどの魔力を我々が強くなるための贄にしてやる』

「弱いヤツは…消えるんだ！！」

『捨て子がこの世界に生きてる意味なんかねーよ』

貴(ああ、アンタ達は何年経っても私の中で生き続けんだろーな

本当に…忌々しい)

私にだけでなく、ノエル達の方にも小剣を飛ばす男
だけど私は自分に飛んでくる小剣のみを破壊し、男の懐まで潜り込む

貴(いるんだろ、アスタ)

必ずくると知っていたから私は安心して足を踏み込み自分の拳を突きつけた

たとへ砕けたとしても回復されると知っている
それでもそれ以上に、今の私はイラついていた

自分の拳が男の鎧を砕き、肉体にねじ込めたのを感じる。その拍子で男が後ろへと後ずさった

あの出来事を忘れることを諦めたのは私自身だ
過去の出来事を思い出すのはこれが初めてのことじゃない…だからといって慣れることは永遠にない

貴「ああ本当に忌々しい、思い出したくもない

でも、だからこそ…出会えた人がいるっ！！」

それでも、私を変えてくれた人がいる
私みたいな人たちを救いたいという夢ができた

貴「アンタの言う弱いヤツを救うために

私は正義の味方を目指してんだ！！！」

後ずさる男を真っ直ぐと見据え私はそこに立つ

そんな私の元に待っていた男は並び立つように横に来た

アスタ「A悪い、コイツの相手はオレが…」

私の言葉を聞いていたからか少し申し訳なさそうな顔をするアスタ
そんなアスタを安心させるように私は微笑んだ

貴「あんなこと言っといて何だけど、今の私じゃアイツを倒すことはできない

あの小剣が無数に現れる限り私の魔法であの炎は消せない

消せるとしたらアスタ、君だけだ
頼めるか？」

アスタ「当たり前だ！！」

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