【4章】待つ ページ47
side貴方
何かが壁にぶつかる音が聞こえ、それがアスタが男の攻撃で後ろに飛ばされたのだと安易に想像することができた
貴「茶髪ちゃん、ノエルをお願い」
だからこそ、戦うことができる私が目の前の男と交戦しなくてはいけない
「弱いヤツは…いらない！」
目の前に立つ私を見て何かに囚われているような瞳を見て顔をしかめる
貴(なんで怒ってんのに悲しい目してるんだよ)
"浮雲の自信"で上空を飛ぶ
そんな私に、男は先ほどと同じように小剣で素早い攻撃を喰らわせてくる
貴(…考えたって仕方ないな)
【天気魔法"快晴の怒り 乱撃"】
熱の大気を纏ったその拳で向かってくる小剣を破壊する
貴(そもそも、この素早い攻撃はアスタの大剣の重さを逆手に取った攻撃方法
拳一本の私に対してスピード重視の魔法は相性悪い)
自分の体に傷ひとつつけず、私は男の懐へと潜り込む
が…
ブォン
男の鎧の拳に流石の私も避けるしかない
貴(さて、アイツがあの攻撃のままならやられる気はしないけど…アスタを分析して攻撃方法を変えたくらいだ。私用の攻撃を考えるのも時間の問題…
それに、あの回復魔法がある限り攻撃喰らわせてもすぐに回復されちまう)
少しずつ自分の拳で鉱石の鎧を砕くが、こんなんじゃどれだけの時間がかかるかも分からな状態だ
貴(『炎』だから"白雨の涙"で消せるとは思うけどそれより先に雨雲が男の攻撃で切り裂かれる方が早い)
男の攻撃に対応しながら、自分ができることを考える
今の攻撃じゃ先に私の魔力の方がなくなってしまう
回復魔法を消すにも雨雲を出すと言う前段階があるせいで、素早さでは負ける
現段階で男の鎧を砕けるほどの魔法もない
貴(こっちに向かってくる小剣さえなければ、力一杯拳がふるえてあの鎧も砕けるし、回復魔法も消せる
だけど今はそうした瞬間に、私の体は小剣によって切り刻まれる。雨雲も刻まれる
……残念なことに私の力じゃこの状況を打破できない
なら、信じて耐えるしかないよな
あんなんでくたばってねーんだろ…アスタ)
上空で少しでもノエル達から離れながら男の攻撃を耐える。もちろん、私が待っていることを悟られてはいけないので隙があれば男の鎧に拳を見舞う
クラウス(一体、何なんだ…
あの女、あのスピードの攻撃を捌ききっている
それだけでなく、我々が傷一つつけられなかった鎧よりも一段階上のあの鎧を少しだけだが砕いている
一体、何者なんだ…！？)
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作者名：ソラ | 作成日時：2020年5月11日 13時
