【4章】石コロ ページ43
sideなし
貴「本当に？
アスタを見て、アンタは本当にそう思う？」
Aのその言葉を聞いてクラウスはアスタの破けて露わになる腕を見た
クラウス「何だその身体は…！
一体どれだけの鍛錬を…！」
貴「この世界は魔力が全て…
そんなの、子供だって知ってる常識だ
そしてアスタには魔力がない
どんなに頑張っても報われない現状のはずだ
それでも、アスタは諦めなかった
諦めずに自分の夢を叶えるために努力した
そんなアスタが運良く能力に恵まれた…？
幸運何がじゃない
何もなくてもアスタはここまできただろうけど
アスタは選ばれるして選ばれたんだ」
クラウスの横にいるAの横顔は心地いい位なまでの笑顔
なぜそんな笑みを向けられるのかクラウスには分からない
アスタ「それでも魔法帝になってみせる
それを証明するためにオレは生きている__」
だが、そんなクラウスでも一つだけわかる
ボロボロで敵国の男と相対する少年が
本気で、夢を……魔法帝を目指しているのだと
その本気の目を見て無理だとかそんな否定する言葉は全くと言っていいほど出てこなかった
「……オレは全てを壊すだけだ」
男はざわつく
所々の記憶しかないはずなのになぜか無性にアスタの言葉に揺さぶられる
アスタ「全て壊すだぁー！？
魔法帝は全てを守る存在だぞ！
そんなヤツに負けてたまるかぁぁー！！」
「邪魔だ…消えろ石コロ！！！」
鉱石の人形と男が一斉にアスタに襲いかかる
だがアスタは逸らさず真っ直ぐに前だけを見つめて、強く握った剣を振るう
アスタ「石コロは石コロでもオレはぁぁ
ダイヤモンドを砕く石コロだ！！！」
アスタの振るった剣が男の身体を薙ぎ払う
男の身体を覆っていた鎧は砕け
動いていた鉱石人形たちは動きを止めてその場で砕け散る
男が後ろへと倒れた時
その場にいた全員が勝利したのだと確信した
アスタ「宝物殿に行くのは
オレ達クローバー王国の魔法騎士団だぁぁ！！」
大型剣を上に掲げアスタの叫びがこだまする
貴「本当、見てて飽きないよ」
そんなアスタを笑いながらAはアスタの元へと駆けて行った
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作者名：ソラ | 作成日時：2020年5月11日 13時
