空に映る感情～ページ２～【ブラッククローバー】 (ページ5)

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【2章】昔の私ページ5

side貴方

私の言葉を聞いてアスタが「へー」っと興味津々な顔をした

アスタ「Aも教会で育ったのか！？」

貴「そだよ。強いて言うなら、アスタと同じ捨て子だから…私」

アスタ「マジかー！！」

バネッサ「ラストネームないあたりで気づきそーだけどねぇ
まあ、そこが坊やの良いとこよね～」

ノエル「流石バカスタね」

案の定、私が捨て子である事に気付いてなかったのはアスタだけらしく、皆の言葉を聞いて「知らないのオレだけ！？」と驚いていた

貴「で、その教会で一番上だったから下の子たちの面倒も見ててね
そん時によく頭撫でてたからクセついちゃったのかも」

手をヒラヒラさせながらヘラヘラ笑うが

ノエル「で、何で正義の味方になりたいのよ」

貴「あっ、やっぱりそこ気になっちゃう？」

ノエル「はぁ！？べ、別に私が気になってるんじゃないんだから！
そ、そう！バカスタが気になってたから話を戻してあげただけなんだからね」

ふんっと横に向きながらムスッとテンプレなツンデレを披露するノエルに苦笑いを浮かべる

バネッサ「な～に～話したくないの？
なら、無理に話さなくてもいいんじゃな～い」

私の苦笑いを見てか、スッとフォローを入れてくれるバネッサさん。こう言うところを見るとやはり年上なんだなと思う
基本飲んだくれてるけど

貴「いや、話したくないとかじゃなくて
ちょっと恥ずかしいなって」

自分の頬をかきながら照れたよう笑う私を見て今度はアスタが首を傾げる

アスタ「何でた？なりたい理由に恥ずかしいものなんてないだろ」

真っ直ぐな視線
その視線に私は盛大に笑ってしまう

貴「あっははは！
やっぱり、アスタはいい環境で過ごしてきたんだね」

アスタの瞳を見ると、もしかしたら私もこんな風になれた未来もあったのかもしれないと思ってしまう
…過去を変えることなんてできやしないのに

貴「私はね、全てを諦めた時期があるんだよ」

アスタ「！？」

私の言葉に思いっきり目を見開くアスタ
他の二人も表情は変わらないが、その瞳が真剣な眼差しに変わる

貴「信じたってムダ、期待したってムダ
何も考えたくない、ただ言われるがままのお人形

それがかつての私」

過去の私を思い出しては呆れながらも
そこに現れた背中を思い出す

貴「…そんな私を見て『馬鹿』っていってくれた人がいたんだよ」

その時の私の表情はきっと
今まで見たことがないくらい優しい優しい表情だったと思う

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