【4章】共にいたから ページ40
sideなし
視点を移し宝物殿では
【風魔法"カマイタチの三日月"】
ユノが風魔法で交戦する相手に攻撃を喰らわせようとしていた
だが…
【鉱石創成魔法"ネメアの鎧"】
魔法で作られた鉱石の鎧でユノの攻撃を受ける
だが、その鉱石には傷ひとつついていない
「オマエの魔法はオレには効かない」
淡々と、だがハッキリとユノに向かってそう言う男は鉱石で創り上げた巨大な剣をユノに振るう
それでもユノの瞳に光は宿り続けている
その瞳に映るのは幼い頃のアスタと自分
無理だと言われてもやめずに自分に走り続けるアスタの姿
諦めなければ届くと
自分の目の前で証明してくれた少年
その姿を知っているからこそユノの瞳は曇らない
「いい加減無駄な事はやめろ」
ユノ「やめない」
「どけ」
ユノ「どかない」
だから決して諦めない
諦めなければ必ず勝機が出てくると信じているから
だが、動けなくなったユノの真上に巨大な剣は無慈悲にも襲いかかる
「諦めろ」
ユノにその鉱石を砕く手段も、避ける時間もない
それでも
ユノ「諦めない」
絶対にその目を逸らすことはない
だから
ユノが最後まで諦めなかったから
誰かを失う前に少年は来る事ができたのだろう
パキン
金色の三人の目に映るのは
ユノにふるわれようとしていた巨大な剣が
一人の少年によって真っ二つになる
その瞬間であった
アスタ「オイそこの顔悪いの…勝手に手ぇ出してんじゃねー…
ユノはオレのライバルだ！！！」
ユノ「……ありえねー」
目の前で起きたその現状に「有り得ない」と言いながらも、ユノの表情はどこか納得していた
自分と今口喧嘩紛いのことをしている少年は
共に生き、共に頑張ってきたライバルなのだから
アスタ「しょうがねぇー
どっちがアイツ倒すか勝負だぁぁ！！」
二人が笑い、共に相手に向かっていく
クラウス(ど、どういうことだ！？
『金色の夜明け』の我々が敵わなかったヤツの強大な魔法を…
あんな…『黒の暴牛』の下民風情に…)
金色の団員から見て見ればあり得ない光景
どんなに頑張っても魔法を駆使しても相手の魔法を破る事ができなかったのに
たった一人の少年が軽々と相手の魔法を切って見せた
そんな現実をすぐに受け止めることなんてできやしない
そんな驚いているクラウスを襲う影
ラック「…ほいっ！」
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作者名：ソラ | 作成日時：2020年5月11日 13時
