【4章】競争 ページ32
side貴方
眼鏡くんの言葉にため息をついて言葉を返そうとしたとき、私以上にその言葉にカチンときていた人物がいた
アスタ「…上等だコノヤロー」
貴「…………ふっ…」
ユラユラと歩きながら眼鏡くんの前に立つアスタを見て、本当にアスタは面白いと思って笑ってしまった
アスタ「オレ達『黒の暴牛』が先にこの魔宮［ダンジョン］を攻略してやらぁぁぁ！！
見てろよ！
コンチキの…いや、トンチキの…いやいやえっと…
変な仮面のボスの団！！」
アスタがそう叫ぶ
だが、私は最後の「変な仮面のボスの団」という言葉に腹を抱えて笑ってしまっている
その言葉に相手の眼鏡くんは怒りをあらわにして係っていたが笑っていて全く聞こえてこない
何とか、笑いが収まっている頃には話がまとまりそうになっていた
眼鏡「いいだろう愚か者共
魔法騎士団トップと最下位との実力差思い知らせてくれる！！
ミモザ」
茶髪「はぁい」
ミモザと言われた茶髪ちゃんが魔導書［グリモワール］を開き魔法を発動する
【植物創成魔法"魔花の道標"】
発動した魔法は茶髪ちゃんの目の前に、この魔宮の模型らしきものが現れる
貴(魔感知も得意そうで散策にも適している魔法も使える…なんだかんだといってさすが上の階級の人って感じだな)
茶髪ちゃんの魔法に感心していると、向こうはこの魔宮の大体の構造を理解したみたいだった
そしてそのまま眼鏡くんが黒髪少年の名前を呼び、魔法を発動させる。…てか、あの少年って……
【風創成魔法"天つ風の方舟"】
三人を渦巻く風に難なく乗せて浮かび上がる
まあ、それよりも
貴「あー！全然気づかなかったけど、入団試験の時の四つ葉の魔導書の子じゃん
…全然気づかなかった」
アスタ「今さら！？あと、アイツはオレの幼なじみ兼ライバルのユノ！」
貴「あー、あの子がー」
アスタから少年のことを聞いて少しだけさっきのことを悪く思ってしまう
自分で間違ったことは言ってないつもりだが、相手に同じ下民と言われて育ってきた子がいるのにあんなこと言ったんじゃ、私もあの二人と変わらないじゃないか
もともと言うつもりであったが、その後ろめたさから私は浮かび上がった三人に叫ぶ
貴「一応言っておきます
私達と一緒にいたはずの戦闘狂が何かを察知してどっかに行きました
戦闘狂なんで私達以外の何者かがいる可能性が高いと思われます
気をつけて散策してください」
強ち貴方達の意見も間違ってないことを添えて
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作者名：ソラ | 作成日時：2020年5月11日 13時
