【冒険の章】見惚れる強さ ページ28
side貴方
彼女の名前を聞けて自然と笑みを溢しながら小さく「メレオレオナさん」と呟き、私はまた自然と微笑んでいた
メレオレオナ「で、貴様は？」
貴「えっ？」
メレオレオナ「貴様が聞くから名乗ったんだ
貴様自身も己の名を名乗っても良いのではないか？」
お酒を飲みながらニヤリと笑う彼女に、私は緩み切っていた顔を整えてすました顔でその問いに答える
貴「Aです
下民の名を聞くなんて変わってますね」
メレオレオナ「貴族が嫌いだと言っておきながら私の名を聞いた貴様が言うことか？」
貴「うぐっ…」
彼女の言葉にぐうの音も出ない
だがしかしこの人と拳を交えて…いや、私の体が乗っ取られてる時の事を思い出して思ってしまった
魔力とは違う『悪魔』の力を使用し
普通の魔法とは違う馬鹿げた魔法を発動した歪な私を
彼女は苦戦もせずに己の拳で打ち破ったのだ
何かを考えているようで何も考えていない
己の拳のみで道を切り開いていく強さ
愚直に自分の信じる信念を突き進むその強さに
__私は惹かれた…惹かれてしまった
だけどその想いすらもこの人にぶつけるのは…
貴「そもそも貴族で強魔地帯に来るようなおかしな人ですもんね…何言っても無駄か」
ちょっと恥ずかしい…
というか、さっきまで憎まれ口を叩いていた身でそんな態度今更取れない
だから素直になれないのは仕方がない事
貴方なら、メレオレオナさんなら許してくれますよね？
メレオレオナ「言っただろう、身分などは関係ない
私は私がしたい事をするまでだ
私の行動に誰にも文句は言わせん」
貴「文句言った瞬間殺されそうですね」
メレオレオナ「無論だ」
メレオレオナさんの話にクスクスと笑いながらも、私は少し考えていることがあった
貴「メレオレオナって少し長いですよね
あだ名とか略称はないんですか？」
そう、彼女の名前は呼ぶには少し長いし
本人に言ったら怒ると思うが、はっきり言って言いにくい
メレオレオナ「好きに呼べ
たが、家の使用人は私を“メレオ”様と呼んでいたな」
貴「メレオ様って…何でまた頭三文字を…
貴方、獅子っぽいしレオが二回も入ってるから“レオ”さんじゃダメなんですか？」
メレオレオナ「ダメだな」
私の提案に即答する彼女に私は首を傾げる
メレオレオナ「“レオ”は私の弟の名だ」
この人に弟なんていたのか
だがまあ、確かに弟さんの名を略称にするのはダメだな。そう思って私はこの人の略称を考える
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ソラ(プロフ) - ギザラスさん» コメントありがとうございます！長かったですが【冒険の章】で夢主の悪魔の魔法が発覚します。楽しんでくれますと嬉しいです(*^^*) (2020年7月1日 15時) (
レス) id: d346541665 (このIDを非表示/違反報告)
ギザラス(プロフ) - 遂に悪魔の力を… (2020年6月30日 22時) (レス) id: 5dbc8f9112 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソラ | 作成日時：2020年6月24日 20時
