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「ほら、早くやるよ」
仕方なく、ほんとうに仕方なく付き合うことにした
しかし場地くんのペンを握った手は動かない
「ちょっと、やる気あるの?」
せっかく手伝うと言っているのに、なんなんだ
そう思って場地くんを見ると、驚いた顔をして心做しか赤いように見える
知恵熱でも出たのだろうか
だとしたら笑い事すぎるけど
「なに、どうしたの?」
「いや、…え…つきあ……マジ?」
自分から頼んでおいて、馬鹿にしてるのかな?
てか頭使いすぎてバグり始めてるけど
「なんでもいいから、早くしてよ」
「お、おおおおう。…頼むわ」
「よし」
バグってたけど返事は返事だとさっさと切り替えて続きを進めていく
場地くんも機能は取り戻したらしい
最初よりは慣れた手つきで課題に取り組む
「お、終わった…」
「お疲れ〜」
HRが終わってから約1時間
やっと終わった
もはや達成感を感じている
さすがに疲れたのか、場地くんは机に突っ伏し出した
後は職員室に出して終了だ
「じゃあ、それちゃんと出しなよ」
先程持った鞄を今度こそちゃんと持って立ち上がる
「じゃあね」と言おうとしたタイミングで場地くんも片付けを始めてこちらを向いた
「ちょっと待ってろ、すぐ終わるから」
「え、いや…うん」
なに、課題出すのも見届けろってこと?
ここまで来たらもうなんでもいいけどさ
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作者名:あゆみ | 作成日時:2021年9月14日 3時