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「まーじかあ」



体育の時間、体育館特有のシューズと擦れる音とバスケットボールの弾む重い音がよく響く



どうせ見栄を張っているだけだろうと思っていた場地くんは次々にボールをかっさらい、点を決めていく



その事実に驚きを隠せない



まあ、それは私だけじゃなくて他の女子たちもなんだけど




試合が始まる前にわざわざ私のところに来て、「見とけよ」と笑顔とメガネを残していった場地くん



いつもの分厚い眼鏡もないため整った顔が露わになり、女子の声援が大きい



ほかの男子も応援してやってくれよ、みんな頑張ってるんだぞ



そう思わなくもないが、どうにも場地くんが活躍しすぎてほかの男子の活躍は薄れる



仕方ないな、どんまい




場地くんのチームが大幅な点差をつけて勝利し、ゲームは終了



終わるとすぐに他の女子の声も無視してこちらにやってきた



無視はするなよ、眼鏡が大事なのはわかるけど




「あー、疲れたー」




「うん、おつかれおつかれ。確かにすごかったわ」




預かっていた眼鏡を渡し、素直な感想を述べる



馬鹿にしてすまんかった




「だろ!」




「いっちゃんかっこよかったー」




「…ったりまえだわ」




褒めたのに、なぜか素っ気なく返された



感情が籠ってなかったのは認めてるから、許して




そっぽを向いた場地くんの顔を見ようと覗き込んだが、「見んな」と言われて頭を掴まれた



見ないから掴まんでくれんかな




そういえば、さっきまで横にいた友達がいなくなってる



なんも言わずどっか行くのやめてほしい

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作者名:あゆみ | 作成日時:2021年9月14日 3時

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