【東京エイリアンズ】銃の使い手

苦痛の時間　original ページ14

翌日 白箱

何度も何度も銃を撃ったって零士さんにはかすりもしない。それどころかどんどん距離を詰められる。
私には、記憶力しか取り柄がなかった。女だし、子供だから力だって弱い。だから銃を取った。それでも近距離が苦手なのは変わらなくって、でもこれを回避しないと仕置きがある。

無理だよ。やめたい。でも仕置きは受けたくないその一心。

雨宮「今月は、先月より落ちたね。銃のスタイルは君に良くあっているけど、それに甘んじていたら駄目だって言ってるよね？」

『は…いっ』

雨宮「久しぶりに毒耐性にしようか。」

『嫌…』

雨宮「随分反抗的になったね。君には充分取り柄があるけれど武器がなかったら無理なんだから、瞬発力や俊敏さで頑張るしかないんだと何回も言ってきたよね。今回の戦闘訓練は終わりだよ。今から取ってくるから待っていてね。」

待って、嫌だ、やりたくない、もう一生あんな思いしたくない。嫌、嫌、嫌、嫌。

そんな想いも届かず雨宮は白箱に戻ってくる。

雨宮「研究班によるとこの星人作成の毒は即効性だけど致死率は低いらしいよ。まぁその分、苦しみはすごいらしいけどね。頑張って」

『あ…やぁ、だ』

雨宮「嫌じゃないんだよ。やらなきゃいけないんだ。君はこの業界と切っても切れない存在なんだから。」

そう言って零士さんが毒を打ちこむ。
どんな毒でも直後は大丈夫だけどいつくるかわからない症状にずっと恐怖するこの時間が嫌いだ。
手と足が痺れてきた。やっぱりこれからくる時間の方が嫌いだ。

『…っ』

はは、朝ご飯抜いたほうがよかったなぁ。気持ち悪い。痛い、苦しい。どのくらい耐えればいいの？零士さん。でも駄目か。



私は駒なんだから。反抗しちゃ駄目だ。

貴方にとって私は　original→←試験後　　１巻終了｡

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