梅雨／天馬司 漆黒の猫耳パーカー後輩様リク ページ48
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靴を履き替えて昇降口から出ようとした時、ある事に気がついた。
雨だ。
ザーザーと降り頻るそれは、完全に私の油断を突いていた。梅雨なんだから降って当たり前なのに傘を忘れた自分を恨む。
はあ、どうしよう…。気にしないで帰れるレベルの小雨ではない。日直の仕事で遅くなったので一緒に入れてくれる友達は帰ったか部活に行ったかでもういない。
「…A？」
名前を呼ばれ、振り返る。
「司、先輩」
そこには紺色の傘を手にした司先輩がいて、彼は私を見るとこちらに歩みを進めた。
「傘、ないのか？」
「まあ…はい」
「そうか…なら」
先輩が傘を開き、私に目を向ける。
「家まで送る。入ってくれ」
……自分が何を言っているか分かっているんだろうか。つまり、相合傘しようと言っている訳だが…傘に入れてくれるのは凄くありがたいし、相合傘がそこまで嫌ってこともないんだけど、普通に恥ずかしい。
「あ…嫌なら、無理強いはしないが」
「い、嫌ではないです。…失礼します」
ぎこちなく先輩の隣に移動する。…結構、近いな…。
「先輩？」
「………」
彼は私を見つめたままなぜか固まっていた。なんか付いてんのかな、と顔をぺたぺた触るが、特にそんなことはなかった。
「っ、すまん…行くか」
「はい。ありがとうございます」
普段はあまり意識しないことだけど、こうやって隣に立つと先輩と自分との身長差を感じざるを得ない。なんか、やっぱ男子なんだなあ…って。
いつの間にか、傘は私の方に傾けられていた。
「…ちょ、先輩。濡れますよ」
「ん？…ああ、そう、だな…」
再び柄は真っ直ぐになった。
…が。
「先輩、また」
「…無意識だ、無意識にこうしてしまうんだ…」
なんだそれ、超善人じゃん。
どんだけお人好しなんですか、と独り言のように呟く。
「Aだけだ」
ふ、と先輩が笑った。
ぐい…ほど強引ではないが、くい、と私の体を引き寄せる先輩。
「っえ、」
私の声を聞くなり、彼は慌てて手を離した。
「こ、こうしたら二人とも濡れずに済むと思ったんだが…」
「で、すよね。…ちょっとびっくりしただけです。気にしないで下さい」
「ああ」
なんでか分からないけど、心臓がうるさかった。
「…というか、無意識に傘傾けることなんてありますかね。普通」
「まあ、好きな人には風邪を引いてほしくないからな」
「……へ」
「あ……」
〜〜〜
終。
漆黒の猫耳パーカー後輩様、リクエストありがとうございました！
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雪那(プロフ) - 瑞志歩…推し同士や…殺してこないで (9月24日 7時) (
レス) @page7 id: fb86e70f16 (このIDを非表示/違反報告)
彩 - なんか何でかわかんないけど、このお話読んで感動しました。彰人の気持ちに共感して、夢主ちゃんと同じで苦しいよねって思った。頑張ってください。 (2023年3月4日 19時) (レス) @page16 id: 8f13239d35 (このIDを非表示/違反報告)
ちに - うーん、彰人神_:(´ཀ`」 ∠):ｸﾊﾟｯ。。。次、その…彰人がｺｸﾊｸ…的な？感じを作っていだ抱いて欲しいです…（語彙力よ） (2022年7月21日 21時) (レス) id: 3f030d2945 (このIDを非表示/違反報告)
妃花里(プロフ) - 神代類くんの絵凄く上手‼️ (2022年4月19日 16時) (レス) @page43 id: 5474e29992 (このIDを非表示/違反報告)
時間の止まったリス - ゑ…//KAITOくんのショタ？ がっ………尊死 (2022年2月8日 9時) (レス) id: d39a98933d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほほほほ | 作成日時：2021年6月12日 10時
