それだけ／青柳冬弥 サーナ様リク ページ26
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私の最期を看取ってくれるのが、彼で本当によかったと思う。大好きな、幼馴染。
「私ね、冬弥」
「何だ、A」
名前を呼ぶと、同じように返してくれる。律儀というか、四角四面というか、よく分からないけど彼のそんな所が好きだ。
「今日で死ぬの」
「……は」
やっぱりそんな顔をするんだね。分かってた、分かってたから言いたくなかった。他の人には分からないような、冬弥の小さくて柔らかい笑顔が一番好きだから。
目を大きく見開いて、その顔から血の気が引いて、時間が止まったように固まる彼。
「嘘、だろう」
「…………」
黙って首を横に振る。
ベッドの傍にたどたどしく近寄って、彼は痛いくらい固く私の手を握った。
「どうして言わなかったんだ、そんな大切なこと…！」
「ごめんなさい、」
「俺達がRAD WEEKENDを超えるまでは死なない、死ねないと言っていただろう…！」
「ごめん、ごめんね」
「どうして…！」
冬弥がこんなに取り乱しているのは初めて見た。十年以上の仲なのに、私は彼のことを知っているようで何も知らない。彼がクラシックをやめたからとか、私が宮益坂に行ったからとか、それ以前の話だった。
「…俺はいつも、何も知らない」
「と、うや？」
「Aが病気になったというのも、司先輩から聞いて初めて知った。もっと早くに知っていたら、もっと一緒に居られたのに」
お見舞いに来てくれるようになってから、冬弥は色んなことを教えてくれた。伝説の夜のこと、夢のこと、仲間のこと。空白だった数年間を埋め合わせるみたいに、優しい声で聞かせてくれた。
余命のことを言ったら、それが全部崩れてしまいそうで。そのうちいなくなるのに、想いを伝えるなんてできなくて。
「冬弥は、私の大好きな…大好きな、幼馴染、だよ」
飽くまで私達は幼馴染。それ以上でもそれ以下でもない。それでいい。恋をするのには苦しい関係が、今は一番楽だ。
そのはずなのに。
「本当に、それだけなのか…？」
なんでまた、哀しそうなの？
俺は＿＿。その先に続く言葉が何なのかは簡単に予想できる。私も、同じ気持ちだから。
「それだけだよ」
彼の言葉を遮って、彼に、自分に嘘を吐く。
私のことは、忘れてほしい。
〜〜〜
完結です、2つまとめて！
彰人のやつは特別じゃない2人が特別になって、冬弥の奴は特別な2人がこれ以上特別になれないみたいな…！
Aさんは冬弥編だけ宮女生。
サーナ様、リクエストありがとうございました！
バストを測ってもらわないと出られない部屋／神高男子 しらす様リク→←我儘／東雲彰人 サーナ様リク
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雪那(プロフ) - 瑞志歩…推し同士や…殺してこないで (9月24日 7時) (
レス) @page7 id: fb86e70f16 (このIDを非表示/違反報告)
彩 - なんか何でかわかんないけど、このお話読んで感動しました。彰人の気持ちに共感して、夢主ちゃんと同じで苦しいよねって思った。頑張ってください。 (2023年3月4日 19時) (レス) @page16 id: 8f13239d35 (このIDを非表示/違反報告)
ちに - うーん、彰人神_:(´ཀ`」 ∠):ｸﾊﾟｯ。。。次、その…彰人がｺｸﾊｸ…的な？感じを作っていだ抱いて欲しいです…（語彙力よ） (2022年7月21日 21時) (レス) id: 3f030d2945 (このIDを非表示/違反報告)
妃花里(プロフ) - 神代類くんの絵凄く上手‼️ (2022年4月19日 16時) (レス) @page43 id: 5474e29992 (このIDを非表示/違反報告)
時間の止まったリス - ゑ…//KAITOくんのショタ？ がっ………尊死 (2022年2月8日 9時) (レス) id: d39a98933d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほほほほ | 作成日時：2021年6月12日 10時
