我儘／東雲彰人 サーナ様リク ページ25
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「…東雲くん、来てくれたんだ」
「当たり前だろ」
白いベッドに手をつく彼。ああ、今日もかっこいいな、なんて呑気なことを考える。
同じクラスの東雲くんは、毎日私のお見舞いに来てくれる。理由を聞いても、別に、の一点張りだけど。
私は彼に片想いをしている。それはこの入院生活の前からで、もう今日で自分の命が尽きると知っているのに彼と二人きりになれるこの時間がどうしようもなく楽しみだった。
「…お前ってさ」
「なに？」
「オレのこと、すきだろ」
「……………え！？」
すき、スキ、隙、好き。…は、唐突すぎる。しかも図星だ。急な出来事に頭が真っ白になった。
「な、んで分かっ…いやちが、そんなこと…」
「オレも好きだ、Aのこと」
「は！？！？」
いつの間にか手は重ねられていて、柔らかい感触と私からは消えかけている温かい体温が心臓を高鳴らせる。
ど、どういうこと？東雲くんは私の気持ちに気づいてて、私のことが好き？意味が分からない。だって、東雲くんは最近素を出してくれるようになったばっかりだし、全然そんな特別な関係なんかじゃ……。
「…けど、オレはお前が思ってるような奴じゃない」
彼は哀しそうに笑みを浮かべた。
「こうやって毎日ここに来れば、お前はオレのこと見てくれるんじゃねえかって。そう思って見舞いに来るような、利己的な人間だ」
「え………」
正直、そんなの関係ないと思う。私はこの数ヶ月、東雲くんが来てくれて凄く幸せだった。歌の練習とかもしなくちゃならないはずなのに、その時間を割いてまで来てくれる彼に更に惹かれていった。
どんな東雲くんでも、私は好きだ。
「私、東雲くんが好きだよ。どんな理由だったとしても、東雲くんのお陰で毎日楽しかった。
…死にたくないな、って思えた」
「…………っ……こんなオレでも、か？」
「東雲くんは東雲くんでしょ」
ふわ、と暖かい香りに包まれた。
「A、好きだ…。死ぬなよ、死ぬんじゃねえよ」
「っえ、今、名前……」
「…悪い、呼ばせてくれ。A、A…っ」
嬉しい、嬉しいよ。私、今世界で一番幸せだ。
もう、最後だっていうのに。
「彰人くん、ねえ、彰人くん、我儘言ってもいい？」
「…言えよ、絶対に何でもしてやるから」
その声があまりにも優しかったから、また生への執着が湧いた。
「キス、したい」
「………！」
駄目かな、と言う暇もなく、唇が柔らかく重なる。
最初で最期のそれは、涙の味がした。
〜〜〜
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雪那(プロフ) - 瑞志歩…推し同士や…殺してこないで (9月24日 7時) (
レス) @page7 id: fb86e70f16 (このIDを非表示/違反報告)
彩 - なんか何でかわかんないけど、このお話読んで感動しました。彰人の気持ちに共感して、夢主ちゃんと同じで苦しいよねって思った。頑張ってください。 (2023年3月4日 19時) (レス) @page16 id: 8f13239d35 (このIDを非表示/違反報告)
ちに - うーん、彰人神_:(´ཀ`」 ∠):ｸﾊﾟｯ。。。次、その…彰人がｺｸﾊｸ…的な？感じを作っていだ抱いて欲しいです…（語彙力よ） (2022年7月21日 21時) (レス) id: 3f030d2945 (このIDを非表示/違反報告)
妃花里(プロフ) - 神代類くんの絵凄く上手‼️ (2022年4月19日 16時) (レス) @page43 id: 5474e29992 (このIDを非表示/違反報告)
時間の止まったリス - ゑ…//KAITOくんのショタ？ がっ………尊死 (2022年2月8日 9時) (レス) id: d39a98933d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほほほほ | 作成日時：2021年6月12日 10時
