【名探偵コナン】 天空の難破船

Episode 1 ページ1

“この菌に感染すると、まず、体のどこかに痒みを伴います”

『ほんま、えらい事件が起きてしもうたの…。もう、朝からこのニュースばっかりや』

電話越しに大阪弁を使いこなす服部くん君の声が聞こえる。
コナン君の携帯がなって、出ると服部くんだったので、
スピーカーにして私にも聞こえるようにしてくれた。

「うん。大変なんだね」

“感染経路は主に飛沫感染で、特に小さいお子さんには感染しやすく、すぐに症状が出るのが特徴です”

『やて。どないする？小ちゃいお子さんになってしもた、コナン君？』

「ほっとけ…」

それを聞くと、私も服部くんも笑いが止まらなくなった。
そんな二人とは対照的にコナン君は不機嫌そうな顔して
こちらを睨んできた。

「それより服部。俺が引っかかるのは」
『犯人グループがなんで実験室を爆破したかやろ？』
「細菌を持ち去るのが目的なら爆破までする必要はないはずだけど…」
「確かに…」

コナン君の考えに納得がいって思わず声を漏らした。
すると、今分かったのかと呆れた様な目差しを向けられた。

『せやな…。まぁ、それにしてもや。この【赤いシャム猫】っちゅう組織、知っとったか？』

「いや…。十数年前、財閥を標的にテロを繰り返してたって事ぐらいしか…。」

『ま、お互いその頃はまだガキやったからの…』

「コナン君は今でもガキだけど…(笑)」

笑いながら言うと、すごい顔で睨まれた。
ごめんごめん、と謝ると、本当に謝ってんのか、と言ってきた。
うん、感情を込めずに謝ったもん。
まぁ、それを言ったらまた睨まれることは想定内だから、
胸の中に置いておく。

その頃、服部君は私の言葉で大爆笑していた。

『ところで工藤と山下。飛行船に乗るっちゅうてたな…。東京から大阪に飛んでくるやつ…。』
「あぁ。あのじいさんが、性懲りもなくまたキッドに挑戦状を叩きつけたからな」
「キッドからも、ついさっきＯＫの返事がきたそうだよ」

ついに…コナン君とキッドの対決がこの目で見れる…！
そう思ったら急にワクワクしてきた。

『あ、ほんなら工藤と山下。そん時は俺んとこ泊まってけや。約束してたお好み焼き屋さん、連れてったるさかいな』
「あぁ、わぁーったよ。じゃあな」

そう言って、コナン君は電話を切った。
そういえば、黒羽君どうやって盗むんだろう…。
こっちもこっちでワクワクしてきた。
後で黒羽君に連絡してみようかな…。

Episode 2→

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