９８．最後の ページ49
授業が終わり、部活が終わり、学校を出れば、もう１日が終わったような気がしてくる。
つまり、私はともかく、最近の私の行動に違和感を抱いていた数人は、ここでようやく安堵するのだ。
よかった、今日は何もなかった＿＿と。
貴「そういえば幸村君、どう？体の調子は」
幸「ああ……あんまりよくないかな。朝は違和感程度だったのが、段々何となく痺れるような感じに……」
真「む。どうした幸村、体調でも悪いのか？」
幸「大丈夫だって。大したことじゃないよ」
慌てたように否定する幸村君。
多分、真田君には心配されたくないんだろう。
ひらひらと振るその手にも、妙に覇気がないように思えたのは私だけだろうか。
幸村君は電車通学だ。
正確に言うと、私と仁王君以外は全員電車通学だ。
普段は途中で、私と仁王君だけ別方向へとお別れする。
だから、私は彼らに付いていく口実が必要だった。
とはいえ、買い物だったら大体近所で済ませられるし、近所で出来ない買い物にしても『こんな時間に』と訝しく思われるのは目に見えていた。
『生活の援助をしてくれている親戚がこっちへ来るらしいので、迎えに行く。』
結局出たのはこんな嘘。
突っ込むと重苦しい話になるかもしれない、私が話したくないことかもしれない。
そんな勘繰りをしたのだろう、誰も何も聞いてこなかった。
切符を買って、改札を抜けて、乗る電車ごとに別れて、そこで私は幸村君と柳さんと真田君と一緒になった。
階段を下りて、ホームへと向かう。
下ったところで、幸村君が何かに気付いたようにはたと足を止めた。
柳「精市？」
幸「ごめん。切符、落としちゃったみたいだ。多分、さっき……」
そう呟いて身を翻し階段を上がり始める幸村君。
そして、その幸村君を追い越しかねない勢いで駆け上がる真田君、柳さん。
多分、電車の時間がもうすぐなのだろう。
間に合いそうにはないけれど。
ぐらりと、階段の頂上に辿り着いた幸村君が傾いた。
力が抜けたように落ちてくる幸村君を、私はその真下で待ち構えていた。
真田君が大きく目を見開いた後、何事か叫んで幸村君に手を伸ばす。
貴「動くな!!」
びくりと、一瞬真田君の動きが止まる。
それで十分だった。
幸村君を受け止めるように手を伸ばし、直後自分の体にも感じた衝撃音の後、一緒になって落ちていく。
何かを考える間もなく、私の意識は鈍い痛みと共に深く深く落ちていった。
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美沙希(プロフ) - ノエルさん» ３、４話書いたらパスワードは解除する予定です。それまでどうか待っててください。長文失礼しました。 (2015年8月3日 21時) (
レス) id: 7832578248 (このIDを非表示/違反報告)
美沙希(プロフ) - ノエルさん» 初めまして、コメントありがとうございます。財前君の小説についてですが、私のミスでもう一度書くことになりまして、大まかな設定は変わりませんが、行動や話の展開などは変わるかもしれないです。一度読んでくださったノエルさんには申し訳ない限りです。 (2015年8月3日 21時) (レス) id: 7832578248 (このIDを非表示/違反報告)
ノエル(プロフ) - はじめまして！いつも楽しみに見させてもらってます♪特に赤司様の作品がお気に入りです!!これからも頑張ってください！あと、財前君の作品のパスワードを教えてください!! (2015年7月29日 21時) (レス) id: 00d2d4474f (このIDを非表示/違反報告)
美沙希(プロフ) - 苺さん» そうですね、ここは感想を書く場ですし。私も作品の感想を言ってもらえるのが一番嬉しいです。これからも応援、宜しくお願いします。 (2015年5月2日 22時) (レス) id: 8fd5e0cc9a (このIDを非表示/違反報告)
苺(プロフ) - 美沙希さん» 私は見習われるほどではありませんよ（苦笑）コメントはこれで終わりにします(´･∀･`)チャットに思われたらお互い大変ですので;;;;コメは時々します！！コメを私がしてなくても更新を楽しみに見ていますので（苦笑）美沙希さん、頑張ってください(＾＾） (2015年5月2日 22時) (レス) id: b02872e17a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美沙希 | 作成日時：2014年10月27日 22時
