８９．不二さん ページ40
不二side
貴「へ？不二さん……どうかした？」
不「ううん。大したことじゃないんだけど……」
＿＿何か、違和感。
僕は、彼女の肩辺りに手を置いてそのまますんすんと匂いを嗅ぐ。
貴「ちょ……っ！！」
叫ぼうとしたのを遮る様に、僕は呟いた。
不「君じゃない匂いがするね。……誰かに抱き締められたり、あるいは抱き締めたり、しなかった？」
貴「あ、うん。赤也君と」
秋月さんはそう答えてから、少し後悔するように手で口を押さえた。
不「秋月さん、赤也君に随分懐かれてるよね」
貴「懐かれてるって。動物じゃないんだから」
可笑しそうに笑う秋月さんは、やっぱりどこか寂しそうだ。
不「寂しい？」
貴「うん……寂しいな。いろんな人と話せて、色んな人と試合できて。……ちゃんと仲良くなれたの、立海の、あの皆以外で、初めて」
色々と気になる物言いだったが、しかしそれを追及する時間は今の僕にはなかった。
不「でも一番は立海なんだよね。……ふふ、たった１ヶ月の付き合いとは思えないな」
貴「私が勝手に大事に思ってるだけ。勝手にそう思って、勝手に使命感持ってるだけなの。……皆を、守りたいから」
不「使命感？……うん、よく分からないけど、それが君の意思ならいいんじゃないかな」
貴「……ありがとう。今ので、決意できたかもしれない」
不「ううん。じゃあね、またどこかで」
ふふっと笑ってそう言うと、秋月さんは「うん、さよなら」と小さく呟き哀しげに微笑んでいた。
その意味を、それらの言葉の意味をもっと僕は問い詰めるべきだったのに。
＿＿曖昧で適当な返答しかしなかった僕を、僕は責めたい。
貴方side
不二さんとの話が終わり、後は一番先に帰る四天宝寺を見送って、自分たちもバスに乗るだけ。
四天宝寺の皆を乗せたバスが、こちらへやってくる。
私たちの方へと近付いてきたバスは、窓を開け、
財「Aさん」
財前君が、私の名を呼んだ。
貴「え、何？」
近寄ると、財前君は少し気だるげに、手を出せと要求してくる。
言われるがまま手を出すと、財前君は無造作に小さな白いものを私の手に落とした。
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美沙希(プロフ) - ノエルさん» ３、４話書いたらパスワードは解除する予定です。それまでどうか待っててください。長文失礼しました。 (2015年8月3日 21時) (
レス) id: 7832578248 (このIDを非表示/違反報告)
美沙希(プロフ) - ノエルさん» 初めまして、コメントありがとうございます。財前君の小説についてですが、私のミスでもう一度書くことになりまして、大まかな設定は変わりませんが、行動や話の展開などは変わるかもしれないです。一度読んでくださったノエルさんには申し訳ない限りです。 (2015年8月3日 21時) (レス) id: 7832578248 (このIDを非表示/違反報告)
ノエル(プロフ) - はじめまして！いつも楽しみに見させてもらってます♪特に赤司様の作品がお気に入りです!!これからも頑張ってください！あと、財前君の作品のパスワードを教えてください!! (2015年7月29日 21時) (レス) id: 00d2d4474f (このIDを非表示/違反報告)
美沙希(プロフ) - 苺さん» そうですね、ここは感想を書く場ですし。私も作品の感想を言ってもらえるのが一番嬉しいです。これからも応援、宜しくお願いします。 (2015年5月2日 22時) (レス) id: 8fd5e0cc9a (このIDを非表示/違反報告)
苺(プロフ) - 美沙希さん» 私は見習われるほどではありませんよ（苦笑）コメントはこれで終わりにします(´･∀･`)チャットに思われたらお互い大変ですので;;;;コメは時々します！！コメを私がしてなくても更新を楽しみに見ていますので（苦笑）美沙希さん、頑張ってください(＾＾） (2015年5月2日 22時) (レス) id: b02872e17a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美沙希 | 作成日時：2014年10月27日 22時
