73.警戒 ページ24
不二side
跡部景吾。
手塚国光。
白石蔵ノ助。
そして僕と、秋月さん。
このメンバーの中、所在なさげに秋月さんは静かに座る。
貴「……それで、私に何の話があるの?」
訝しげに、というか露骨に警戒心をあらわにして、秋月さんは僕に聞いた。
不「すぐに終わるよ。ちょっと、聞きたいことがあっただけだから」
貴「……ふうん?」
うんざりしたような、そんな表情を見せる秋月さん。
白「__ああ。財前みたいなこと聞くわけやないから。安心せえ」
貴「あれ、そうなんですか。じゃあ、なんなんです?」
白石には敬語で、僕にはタメ口。
はっきりと、敬語とタメを使い分ける秋月さんは、きっとそうすることで壁を作っている。
手「お前がいないとき、柳が言っていた。……お前は『病気』なのか?」
僅かに肩を震わせた秋月さんは、自分の動揺を悔やむように俯いた。
白「酷いんか?」
心配そうな白石の声を聞いた秋月さんはバッと顔を上げ、困ったように笑う。
貴「い、いえ!そうじゃなくて……これは、楽しい話じゃないですし、貴方達が考えているようなことでもないです。酷くつまらない、大したことない話なんです」
跡「んなわけねえだろ。あいつ等があれだけ心配してるんだ。よっぽどのことじゃねえのか?」
貴「…………つまらない話だと、理解しておいてくださいね」
息を吐き、秋月さんは話し始める。
貴「私、唐突に意識を失ってしまうことが多々あるんです。こう、締め付けられるような頭痛がくるんです。……以前、倉庫の中で倒れたことがあって、幸村君が見つけてくれたんですけど。それがきっと怖かったんじゃないかと思います。だから……」
だから、あんなに過保護?
手「治らないのか?」
貴「治りません。仕方ないんですよ、どうにもならないんです。…………それに、価値観の違いは、そうかえられないからね、特にああいう場合は」
あれ?何か最後にボソッと言ったかな?
価値観の違いとか何とか……どういう意味だろう。
貴「それだけですか?」
秋月さんは、明らかにすぐにでも出て行きたそうだった。
白「いや。まだや」
出て行こうと腰を上げた秋月さんの腕を、白石が掴む。
白「やっぱりほっそいなあ、腕。こんなんでようラケット持てるわ。……なあ。なんで、あんなに強いん?」
それは皆が疑問に思っていたことだ。
秋月さんは、
貴「私は例外だからです」
と、よく分からないことを言って部屋を出て行った。
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美沙希(プロフ) - ノエルさん» 3、4話書いたらパスワードは解除する予定です。それまでどうか待っててください。長文失礼しました。 (2015年8月3日 21時) (レス) id: 7832578248 (このIDを非表示/違反報告)
美沙希(プロフ) - ノエルさん» 初めまして、コメントありがとうございます。財前君の小説についてですが、私のミスでもう一度書くことになりまして、大まかな設定は変わりませんが、行動や話の展開などは変わるかもしれないです。一度読んでくださったノエルさんには申し訳ない限りです。 (2015年8月3日 21時) (レス) id: 7832578248 (このIDを非表示/違反報告)
ノエル(プロフ) - はじめまして!いつも楽しみに見させてもらってます♪特に赤司様の作品がお気に入りです!!これからも頑張ってください!あと、財前君の作品のパスワードを教えてください!! (2015年7月29日 21時) (レス) id: 00d2d4474f (このIDを非表示/違反報告)
美沙希(プロフ) - 苺さん» そうですね、ここは感想を書く場ですし。私も作品の感想を言ってもらえるのが一番嬉しいです。これからも応援、宜しくお願いします。 (2015年5月2日 22時) (レス) id: 8fd5e0cc9a (このIDを非表示/違反報告)
苺(プロフ) - 美沙希さん» 私は見習われるほどではありませんよ(苦笑)コメントはこれで終わりにします(´・∀・`)チャットに思われたらお互い大変ですので;;;;コメは時々します!!コメを私がしてなくても更新を楽しみに見ていますので(苦笑)美沙希さん、頑張ってください(^^) (2015年5月2日 22時) (レス) id: b02872e17a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美沙希 | 作成日時:2014年10月27日 22時