【テニプリ】トリップした私には『使命』がありました。２【立海】

６２．バス ページ13

それからは言われるがままだった。

日程表を渡され、そうこう準備をしている内に１週間はいつの間にか過ぎていた。

そして当日の朝、私は前と同じように３０分前に学校に到着していた。


貴「……合同合宿とか言ってたけど」


……他にマネージャーとかいるのかな。

いなかったら、私の仕事量、可笑しいくらいに多いよね。


貴「それはきっついなー」

柳「何がだ？」

貴「……おはよう。何でもないよ」

何でこの人来るのこんな早いの。


真「うむ、おはよう」

幸「おはよう、秋月さん。俺、まだ少し眠いや」

真「む、たるんどるぞ」

幸「真田うるさい」

眠気の所為か、幸村君はいつもよりテンションが低い上に不機嫌そう。

柳「丸井とジャッカルは先ほど姿を見かけたからな。後は仁王と柳生、それに赤也か」

赤也君は遅刻しそうだな。

あと、仁王君、朝はダメそう。



しかし、５分後。


やや疲弊気味の柳生君が、仁王君と赤也君を連れて到着した。

わざわざ２人の家まで迎えに行ったらしい。

柳生君、お疲れ様でした。


丸「バスの席順ってどうするんだ？」

貴「えー……クラス順とか？」

何の気なしに出した案だったが、しかしこれは失言だった。

クラス順にしたら、私の隣の席はまだ少し眠そうな同じクラスの幸村君になるに決まっているじゃないか。


幸「ふうん。じゃあ俺、窓際でもいい？」

貴「うん」

景色とか眺めるの好きそう、窓際なのはそういう理由かな。


そう思っていたが、これも失敗。


出発して最初の方こそ景色を見ていた幸村君は、途中から寝始めてコンッコンッと窓硝子に頭を打ち始めた。

ダメだこれ本当に寝てる。

頭を打ち続ける幸村君をこのまま放っとくわけにはいかないけど、でもこれ選択肢もう限られてるじゃない。


……仕方ないよね？

貴「よっ、と」


私は幸村君の頭を支え、私の方に幸村君が乗っかるようにした。

といっても私の肩に幸村君の頭が、とかそういう甘い状況ではなくて。

身長差があるため、幸村君の頭は私の頭の上に乗っていて、正直に言うと、重い。


貴「でも、幸村君、お疲れみたいだし……仕方ないか」


私たちの席を覗き込まれた柳さんに微笑ましげな笑みを返されたのは流石に動揺して幸村君を落としそうになったけど、それ以外は到着するまで我慢した。


途中から私の頭上でスウスウ言ってる幸村君に急に恥ずかしくなってきて、着いてからも顔の赤らみが収まらなくてすごく困った。

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