51.不機嫌 ページ2
貴「あ、かやくんっ!!」
切「何でそいつと手繋いでるんスか……?てか、アンタ誰」
『何でこの子怒ってるの?』
貴「……分からないです。でも面倒なので、貴方は職員室に行っててください。朝練には来ちゃダメですよ」
小声でそう伝えると、コクコクと頷いて校舎の方に歩いていった。
完全に去るのを確認してから赤也君を見ると、明らかに不機嫌そうな顔をしている。
貴「……赤也君、じゃ、行こっか」
切「……あの、せんぱ」
幸「今行ったの、誰?」
何かを聞こうとした赤也君を遮って、幸村君は唐突に現れた。
貴「お、おはよう、幸村君」
幸「おはよう。赤也の言葉が聞こえてね。……えっと、なんだっけ?ああそうそう」
にっこりと、それでいて有無を言わせない迫力が今の幸村君にはあった。
幸「手を繋いでいたんだって?」
貴「…………」
切「…………」
怖いんですけど。
貴「えっと、はい」
幸「それ、誰?ちょっと名前教えてよ。柳に調べさせよう」
貴「いやいやいやいや待って!!そんな大した関係じゃないから!ただの知り合い!」
幸「嘘は良くないよ、秋月さん」
貴「本当本当!!彼はこの学校に今日転校してきた人で!!たまたま知り合いで!!あれ奇遇だねーって登校してきただけ!!」
あれ、何でこんなに必死に弁解してるんだろ、私。
幸「ふうん。じゃあこの機会に聞いておくけどさ、秋月さん」
幸村君は何を考えているのか分からない表情のまま、聞いた。
幸「彼氏とか、いるの?」
・
・
・
授業中、私は珍しくぼおっとしてしまっていた。
彼氏、ねえ。
そんなことをまさか幸村君に聞かれるとは思っていなかった私は、聞かれたときと答えることが出来なかった。
貴「………………へっ?」
一瞬何を聞かれているのか分からなかった。
遅れてリアクションした私を、幸村君は何を勘違いしたのか慌てて、
幸「あ、いやいや。変なこと聞いてごめん。なかったことにして」
そう言われてしまった。
何だか赤也君がショックを受けているように見えたのは、きっと私の勘違い。
いや、いないんだけどね?
ていうかそんな存在がいたとしても、この世界に来た時点でなかったものになっているだろうし。
幸村君は、一体何を勘違いしたのだろう。
佐「……さん、Aさん」
貴「__え?」
佐「え?じゃないわよ、全く。おはよう。……友達は、会ったら挨拶するものよ」
貴「……おはよう。陽毬さん」
周囲がどよめくのが分かった。
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美沙希(プロフ) - ノエルさん» 3、4話書いたらパスワードは解除する予定です。それまでどうか待っててください。長文失礼しました。 (2015年8月3日 21時) (レス) id: 7832578248 (このIDを非表示/違反報告)
美沙希(プロフ) - ノエルさん» 初めまして、コメントありがとうございます。財前君の小説についてですが、私のミスでもう一度書くことになりまして、大まかな設定は変わりませんが、行動や話の展開などは変わるかもしれないです。一度読んでくださったノエルさんには申し訳ない限りです。 (2015年8月3日 21時) (レス) id: 7832578248 (このIDを非表示/違反報告)
ノエル(プロフ) - はじめまして!いつも楽しみに見させてもらってます♪特に赤司様の作品がお気に入りです!!これからも頑張ってください!あと、財前君の作品のパスワードを教えてください!! (2015年7月29日 21時) (レス) id: 00d2d4474f (このIDを非表示/違反報告)
美沙希(プロフ) - 苺さん» そうですね、ここは感想を書く場ですし。私も作品の感想を言ってもらえるのが一番嬉しいです。これからも応援、宜しくお願いします。 (2015年5月2日 22時) (レス) id: 8fd5e0cc9a (このIDを非表示/違反報告)
苺(プロフ) - 美沙希さん» 私は見習われるほどではありませんよ(苦笑)コメントはこれで終わりにします(´・∀・`)チャットに思われたらお互い大変ですので;;;;コメは時々します!!コメを私がしてなくても更新を楽しみに見ていますので(苦笑)美沙希さん、頑張ってください(^^) (2015年5月2日 22時) (レス) id: b02872e17a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美沙希 | 作成日時:2014年10月27日 22時