134話 相変わらず変態で嫌になるな ページ47
「おい、大丈夫か」
手を振りながら近づいてくる由良に、私は小さな声で「なにしてんの」と問いかける。
由「一時帰国」
貴「……なんで？」
まるで見ていたかのようなタイミングの登場に、思わず訝し気に由良を見てしまう。
しかし当の本人は私を見つめなて緩んだ顔を抑えもせずに答える。
由「Aの納射式見たくて」
貴「……馬鹿か？」
一文字ずつ、区切るように呟けば、由良から抗議の声が上がる。それを手のひらで制して、私はゆっくり自転車置き場に向けて歩いた。その後ろを、由良が納射式の感想を言いながらついてくる。
まあ普通に考えて、由良だって高等部の卒業式があるのだから帰って来て当然だ。てっきり連絡がないから、忙しくて欠席するものだと思っていたが、さすがに帰国したようだ。
由「やっぱりAの射型はきれいだね。またうまくなったよね。矢先が下がらなくなってたし」
本当によく見ている。というか見学者からはだいぶ離れていたのによく見えるなこいつこわっ。
あとからあとから次々出てくる感想も、何でそんな細かいところまで見えてんだこいつこわっ、という感想しか浮かばないようなことばかりで、私は隠しもせずにその感情を露わにする。
そんな私を、由良はきれいにスルーして一通り褒めちぎった後、ふと思い出したように言った。
由「そうそう、男テニの子たちも見に来てたよ」
自転車に差そうとしたカギを思わず落としそうになるが何とかこらえ、素知らぬ顔で「へえ」と答える。
由「しばらく一緒にAが出てくるの待ってたんだけど、お前なかなか出てこないし、ほかの部員の子に聞いて時間取っちゃうのもなんだなと思って、明日また話そうねって言って帰ってったよ。明日挨拶しなね」
貴「うん。そうする」
ガチャンとカギを回し、サドルを押して2人で歩き出す。カラカラとタイヤが回るのを見つめながら、話が変な方向に飛び火しないかと、由良と2人なのに妙な緊張感が生まれてしまった。
しばらくは由良の海外生活のことや、卒業に関してのことを話していたが、そこから男テニの3年が高等部にくる話になり、私はまた内心ひやひやしながら言葉を返した。
すると不意に、今までテンポの良かった会話がとまり、私は思わず由良を見上げた。
貴「……由良？」
由良は、なぜかわずかに首を傾げ、不思議そうな顔をして私を見つめていた。
貴「なに？」
由「いや、Aなんか……なんかあった？」
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葉奈(プロフ) - はるるんさん» はるるんさんありがとうございます！ゆっくり更新ですがよろしくお願いします(*･ω･)*_ _) (2020年9月7日 20時) (
レス) id: c1c4e29ce5 (このIDを非表示/違反報告)
はるるん(プロフ) - 葉奈さん» 葉奈さんこそお疲れ様です(*´-`)疲れを取ってから更新してくださいね(^_^) (2020年8月31日 23時) (レス) id: 3a9f70176a (このIDを非表示/違反報告)
葉奈(プロフ) - はるるんさん» ありがとうございます！仕事お疲れ様です！1度でもいいから終わらない夏休み経験したいですね( ；∀；)更新遅いですがよろしくお願いします！ (2020年8月30日 1時) (レス) id: c1c4e29ce5 (このIDを非表示/違反報告)
はるるん(プロフ) - 毎回面白くて更新楽しみに待ってます(^ ^)私も仕事をしているので終わらない夏休みがあるマダオが羨ましく思います笑 (2020年8月18日 22時) (レス) id: 3a9f70176a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葉奈 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hana1/
作成日時：2020年8月11日 1時
