102話 激辛 ページ5
貴「ほんといい加減にしてごめんなさい」
いじめが行われていた。いたというか、いる。いるというか私、私がいじめられている。
目の前に積まれた激辛菓子の数々。甘いものは好きだが辛いものが苦手な私に対してなんという仕打ち。みんなそれを知っているはずなのに、本日早朝から机の上に次々と笑顔付きで積まれていく。
貴「ねえむりだって食えない勿体ないよ私が貰うのは。ねえみんなで食べよ？ パーティ開けしてみんなでいただこ？ ね？」
私の呼び掛けに対して、周りの女子が感情のこもらない笑顔で「そんな遠慮しないで」とすすめる。日本語難しいどころの話じゃない。
私はもう何度目か分からない弁解の言葉を大声で伝えた。
貴「だから普通に話してただけだって。図書室で偶然会っただけなんだから」
責められているのは数日前、図書室で不二先輩と親しげに会話していたことだ。曰く、不二先輩が声を上げて笑ったり、積極的に声をかけていく女子は限られていて、その中でも私は最警戒人物らしい。
バレンタイン当日、しかも不二先輩が中3ということもあり、みんな殺気立っているのだろう。
苦々しくため息をついたところで、新たに激辛シリーズが置かれた。今度は菓子ですらない、真っ赤なパッケージのカップ焼きそばだった。これめっちゃ辛いやつ。誰が食うんや。
貴「おいこんなんそもそも持って帰れねえじゃんどうすんだよ」
机の上に大量に置かれた赤いパッケージの数々。昼休みの現在、既にロッカーはいっぱいになってしまったので、あとはもう部室に置くしかないが、みんなが置かせてくれるかどうかが問題だ。
なんなら例年より量が多い。面白がってバレンタインに参加しない男子勢も無駄に置いて行くからだろう。
その最たる例である、隣の席の桃城武が、また新たに激辛菓子を引っ提げて席に座った。
桃「どうぞ」
貴「くっそ」
隣でニヤニヤと笑う桃を八つ当たりで睨みつけると、「おモテですねえ」とからかいが飛んでくる。
貴「頼むから視界から消えて欲しい」
桃「俺は面白いからこのままでいい」
貴「お前の事だよ？」
桃「知ってる」
桃の態度に、私は大きく舌打ちを鳴らし、何度目分からない「くそ」を、呼吸とともに吐き出した。
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葉奈(プロフ) - はるるんさん» はるるんさんありがとうございます！ゆっくり更新ですがよろしくお願いします(*･ω･)*_ _) (2020年9月7日 20時) (
レス) id: c1c4e29ce5 (このIDを非表示/違反報告)
はるるん(プロフ) - 葉奈さん» 葉奈さんこそお疲れ様です(*´-`)疲れを取ってから更新してくださいね(^_^) (2020年8月31日 23時) (レス) id: 3a9f70176a (このIDを非表示/違反報告)
葉奈(プロフ) - はるるんさん» ありがとうございます！仕事お疲れ様です！1度でもいいから終わらない夏休み経験したいですね( ；∀；)更新遅いですがよろしくお願いします！ (2020年8月30日 1時) (レス) id: c1c4e29ce5 (このIDを非表示/違反報告)
はるるん(プロフ) - 毎回面白くて更新楽しみに待ってます(^ ^)私も仕事をしているので終わらない夏休みがあるマダオが羨ましく思います笑 (2020年8月18日 22時) (レス) id: 3a9f70176a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葉奈 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hana1/
作成日時：2020年8月11日 1時
