110話 タイミングではない ページ13
3年生はともかく、この2年達には断ち切れない因縁があるのだろう。性格も子供だしな。とにかく付き合わされるのだけは避けなければならない。私は2度頷いて、右足を後ろに引いた。
貴「そうか。それは大変だな。じゃあ私たちはこの辺で……」
引いた足が、小石しかないはずの地面に引っかかる。振り向くと、いつの間にかそこに陣取っていた跡部さんが、口角を上げて奏恵を見た。
跡「これから青学対氷帝の試合をする。来るか？」
貴「いや」
奏「行きます！」
貴「奏恵さん？！」
***
邂逅してしまった因縁の2校は、その場で一触即発。決着をつけてやるぜ！ という成り行きの元、青学元レギュラーwithout手塚越前河村と、氷帝without芥川、そして何故か私と奏恵は、跡部家所有のテニスコートに向かっていた。
貴「いやマジで意味わからん」
不「ふふっ」
隣で不二先輩が笑う。
奏恵はと言えば、少し前を歩く鳳と少女漫画談義に花を咲かせていた。咲かせんなむしるぞ。
わちゃわちゃと集団で歩くその最後尾を、私は不二先輩と並んで歩いていた。
不「タイミングが悪かったね」
貴「絶対悪くないです。居なくなるチャンスはありました。潰されただけです」
そう言って奏恵と、先頭を歩く跡部さんを睨む。すると不二先輩は楽しそうに笑い、「そう言わずに」となだめた。
不「僕への誕生日プレゼントだと思って」
貴「……あ、先輩、誕生日月末でしたっけ」
不「そう、29……今年は28日」
貴「今週か！ 早いけどおめでとうございます」
不「ありがとう」
そう言って笑う不二先輩の顔が、花を渡した時の顔を思い出させて、思わず目をそらす。
それをわかってか、不二先輩はそういえばと言って続けた。
不「この間、Aに貰ったパンジーとノースポール、少し咲き始めてきたよ」
貴「そうなんですね。よかったです。でも、私が渡したの、パンジーだけですよ」
不「選んでくれたのAだからね。僕が勝手にそう思ってるだけ」
そう言われてしまうと否定のしようも無い。私は小さく頷いて、気恥しさを紛らわせようと、話題を誕生日に戻した。
貴「そうだ。誕生日なんですけど、不二先輩、辛いもの好きですよね」
不「うん」
貴「お菓子食べます？」
ゴマをするように問いかけると、不二先輩は1度頷いて、すぐに察しがついたように口元を和らげた。
不「食べるよ。Aは苦手だもんね。食べきれないんでしょ」
貴「よくご存知で……というわけでご協力の程を……！」
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葉奈(プロフ) - はるるんさん» はるるんさんありがとうございます！ゆっくり更新ですがよろしくお願いします(*･ω･)*_ _) (2020年9月7日 20時) (
レス) id: c1c4e29ce5 (このIDを非表示/違反報告)
はるるん(プロフ) - 葉奈さん» 葉奈さんこそお疲れ様です(*´-`)疲れを取ってから更新してくださいね(^_^) (2020年8月31日 23時) (レス) id: 3a9f70176a (このIDを非表示/違反報告)
葉奈(プロフ) - はるるんさん» ありがとうございます！仕事お疲れ様です！1度でもいいから終わらない夏休み経験したいですね( ；∀；)更新遅いですがよろしくお願いします！ (2020年8月30日 1時) (レス) id: c1c4e29ce5 (このIDを非表示/違反報告)
はるるん(プロフ) - 毎回面白くて更新楽しみに待ってます(^ ^)私も仕事をしているので終わらない夏休みがあるマダオが羨ましく思います笑 (2020年8月18日 22時) (レス) id: 3a9f70176a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葉奈 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hana1/
作成日時：2020年8月11日 1時
