42話 つかの間の休息 ページ43
男子テニス部が、アンダーなんたらという合宿に行ってから早2週間。
やっとマシになってきたが、はじめの方の女子の憔悴っぷりと言ったらなかった。
癒しがいないだの目の保養がいないだの。学校の男子に謝れってんだ。
まあ、確かにあれだけ容姿の整った人が集まるのもそうそうないとは思うが。
そんな生活にやっと慣れてきて、校内もなんとなくではあるが落ち着きを取り戻していた。
私としては、毎日のように喧嘩していた相手がいないのはとても気楽なことだ。気分爽快、心機一転。晴れ晴れとして気持ちで学校生活を送れている。
なぜだか、不二先輩と話せたことで、心の中にあった小さなわだかまりの様なものが溶けていった気がする。
焦ってるつもりも、無理をしているつもりもない。それでも、それだけでは駄目なんだろう。
毎日の生活はそこそこ充実しているし楽しいし、何よりやかましい由良がいない。これは幸せなことだ。
よく合宿やら何やらで家を空けることも多かったが、今回は今までないほど長期だ。
ゲームもネットもテレビも独占できる。素晴らしい。一人っ子いいな羨ましい。
貴「はあ?」
なーんて思っていたのもつかの間。
11月もそろそろ終わり、師走の冬本番に差し掛かろうとしている肌寒い季節。
私は携帯にかかってきた着信を見て、1度はそれを無視した。
しつこいので電源を切ると、今度は家にかかってきたのだ。気持ち悪い。本当に気持ち悪い。なんであんなのと血が繋がっているんだ恐ろしい。
身震いしながらも、携帯からかけなおすと、開口一番、そいつは大声で私の名前を呼んだ。
『A――――!!』
貴「いや私からかけたんだから私に決まってんだろ」
由『その辛辣さが久々すぎて!! 日本寒いだろうけど大丈夫? 風邪ひいてない?』
その言い方にふと違和感を感じる。そしてすぐその正体に気付いて、礼儀として聞いてやった。
貴「大丈夫ですよ。で、どうなんだよ、海外遠征」
何週間か前に、海外遠征に行ってもいいかという、親の了承を得るために由良が一時帰宅した。
もちろん両親は二つ返事で了承し、2日間ほどのんびりとした後、またすぐに合宿に戻っていった。
由『うーん、やっぱりいいよね海外! 早く俺も試合してえ』
貴「そっか」
由『お前は? 冬だから筋トレ中心か』
貴「まあな。けど大事なことだし。寒いけど」
由『ははっ。その気持ちわかる』
そうして少し世間話をすると、由良は、「それで」と本題を切り出してきた。
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葉奈(プロフ) - そうですww作者がにこにー推しですww (2015年5月17日 19時) (レス) id: b46f08eacb (このIDを非表示/違反報告)
ユール - えーと…にこにー? (2015年5月15日 18時) (レス) id: 63bdae9473 (このIDを非表示/違反報告)
葉奈(プロフ) - ありがとうございます!がんばって更新しますのでよろしくお願いします!! (2014年11月30日 18時) (レス) id: 884e662617 (このIDを非表示/違反報告)
yunyun - 合格、おめでとうございます。本当に良かったですね。更新、楽しみにしてますね。 (2014年11月30日 15時) (レス) id: 329a32a11c (このIDを非表示/違反報告)
葉奈(プロフ) - 雪代さん» ありがとうございます!!! 頑張りますのでよろしくお願いします! (2014年11月10日 22時) (レス) id: 884e662617 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葉奈 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hana1/
作成日時:2013年10月27日 21時