20話 友達が薄情で困る ページ21
奏「A」
後ろから聞こえた唐突な聞きなれた声に、不覚にも驚いて肩が跳ねる。
振り返ると、なぜか奏恵と金ちゃんと芥川さんと鳳とその他大勢がいた。
貴「あれ、着替えたん?」
奏「あんた集中しすぎ。いいことだけど、部長なんだからしっかり周り見てよね」
貴「はーい、すいませんでしたー。……で、後ろの方々は」
間延びした返事を返して奏恵の後ろに目を配る。
すると奏恵は、ここまでに至る経緯を手短に説明した。
どうやらうちのバカ兄貴と天使金ちゃんが来るので、ちょっとした見物にされていたらしい。不愉快です。
由「A、相変わらずかわいいな」
貴「よし、帰ろうか金ちゃん」
由「ちょっとAちゃん?」
なんだか今日は害虫がうるさいようだ。夏も終わったというのにまだ虫がいるのか。
私は奏恵が持ってきてくれた制服と鞄を受け取り、奥の倉庫で素早く着替えた。
私が1分もたたないうちに出てきたのでみんなは驚いていたが、奏恵は当たり前のように私を見ると、何かの鍵を突き出してきた。
なにかのっていうか、部室の鍵だ。
貴「え、なにこれ」
奏「え?人待たせておいて」
貴「え、なにこれ、そういう感じなの。っていうか奏恵が勝手にいたんだろ」
奏「え?」
貴「え」
忍「なんやねんこのやり取り。うっとおしいわ」
私も奏恵もいまいち会話がかみ合っていない。話題的には同じことを話しているのに。
これが価値観の違いというやつか。
そんな会話は忍足さんのツッコミでぶった切られ、私と奏恵はその忍足さんのコールでじゃんけん。私がチョキ。奏恵がグー。
貴「そんな……っ」
奏「悪いわねA。でもこれが運命ってやつよ」
忍「せやからなんやねんさっきから」
小さな子芝居を混ぜ、私は渋々、すでに暗くなった校舎に入り、職員室に部室の鍵と弓道場の鍵を置きに行った。
暗い校舎の中に入った時、桃から聞いた青春学園七不思議の話が一瞬頭の中を過ったがすぐにかぶりをふり、脳内から消去した。
実際そんなことはなく、私は安全かついたって普通に職員室に鍵を置いた。
その時少し先生に課題がどうのこうのとか言われたけど知らない。
貴「おまたー」
金「A、股がどうかしたん?」
貴「いやいや、お待たせってことだから。そういうとこもかわいいぜこの野郎」
丸「変態め」
貴「黙ってくださいブ(ん)太さん」
丸「おいこら」
くだらない会話をしながら、それぞれがそれぞれの帰路についていった。
21話 風呂上りの金ちゃん→←19話 弓道やってるときは、な。
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葉奈(プロフ) - そうですww作者がにこにー推しですww (2015年5月17日 19時) (レス) id: b46f08eacb (このIDを非表示/違反報告)
ユール - えーと…にこにー? (2015年5月15日 18時) (レス) id: 63bdae9473 (このIDを非表示/違反報告)
葉奈(プロフ) - ありがとうございます!がんばって更新しますのでよろしくお願いします!! (2014年11月30日 18時) (レス) id: 884e662617 (このIDを非表示/違反報告)
yunyun - 合格、おめでとうございます。本当に良かったですね。更新、楽しみにしてますね。 (2014年11月30日 15時) (レス) id: 329a32a11c (このIDを非表示/違反報告)
葉奈(プロフ) - 雪代さん» ありがとうございます!!! 頑張りますのでよろしくお願いします! (2014年11月10日 22時) (レス) id: 884e662617 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葉奈 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hana1/
作成日時:2013年10月27日 21時