17話 その理由はいかに ページ18
『練習終わったら弓道場に来て』
と、昼が終わる直前に由良にメールを出した。
会いに行けばいいじゃんと思ったそこの君、シャラップ!君は考えたことがあるか!会うたびに抱きしめられる悲しい妹の定めを!
というわけでそんなメールを出して午後練も終わり、部員は部室へと戻っていく中、私は先生に許可をもらい、まだ練習でつかわせてもらうことにした。
奏「A、残るんだったら付き合うよ」
奏恵がそう言ってくれたので、遠慮なく付き合ってもらうことにする。
今の時刻は18時。
さて、何時に終わることやら。
奏「ねーA」
貴「ん?」
弓の弦を確かめていると、泰未が不意に問いかけてきた。
奏「あんたさ、最近不二先輩と仲良いね」
貴「っ……!?」
息が詰まる。
なぜかむせてしまい咳を漏らした。
奏「うっわ、なんだその分かりやすいの」
貴「ちげえよそういうんじゃなくて」
奏「でも仲いいよね」
貴「あんま会ってないんだけど」
奏「会った時の話」
貴「なんだよそれ」
なんだか気恥ずかしくなって顔をそむける。
不二先輩と話すのは楽しいし、うれしいし、でもたまに少し恥ずかしくなったりする。
そこが世間一般で言う『恋』というものなのかは定かではなく、もしかしたらこれは先輩に向けての強い尊敬だったり憧れだったりするのかもしれない。
不二先輩はかっこよくて優しくていつも笑っていて。
それでいて仲間のことになると本気になったり。
かっこいいな……なんて。
奏「おーい、大丈夫か。帰って来ーい」
目の前で奏恵が手を振る。
それで意識が一瞬飛んでいたと気づいてかぶりを振る。
貴「はははっ。めんごめんご」
頭をかいて気恥ずかしいのでそのまま射位に入る。
あーあ。
やっぱりなんか落ち着くなーここ。
なんて考えながら弦を引いた。
そういえば、やっと矢が的に当たるようになってきたころ、それが楽しくてしばらくやっていたら、今度は極端に的にあたらなくなったことがあった。
「中て気を強くしすぎるな」
「会が長すぎ」「今度は早気」
何度も何度も注意されて、結局無心になったほうがいいのかもしれないという結論に至った。
弓道をはじめてからもう7年ほどたつけれど、いまだに完璧にはなれない。
集中力が足りない。
目下一番の課題だな。
そんなことを考えながら、私は無心で弓を引いた。
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葉奈(プロフ) - そうですww作者がにこにー推しですww (2015年5月17日 19時) (レス) id: b46f08eacb (このIDを非表示/違反報告)
ユール - えーと…にこにー? (2015年5月15日 18時) (レス) id: 63bdae9473 (このIDを非表示/違反報告)
葉奈(プロフ) - ありがとうございます!がんばって更新しますのでよろしくお願いします!! (2014年11月30日 18時) (レス) id: 884e662617 (このIDを非表示/違反報告)
yunyun - 合格、おめでとうございます。本当に良かったですね。更新、楽しみにしてますね。 (2014年11月30日 15時) (レス) id: 329a32a11c (このIDを非表示/違反報告)
葉奈(プロフ) - 雪代さん» ありがとうございます!!! 頑張りますのでよろしくお願いします! (2014年11月10日 22時) (レス) id: 884e662617 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葉奈 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hana1/
作成日時:2013年10月27日 21時