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彼へと伸ばす腕を切り落とした。
手鬼「邪魔をするな!」
次々と腕が伸びてくる。
その腕を切り落とすだけで精一杯だった。
手鬼「お前に用はないんだよ!引っ込んでろ!」
そう言い放つと、私の体を思い切り掴み
投げ飛ばされた。
「っ…!」
思い切り、木に体をぶつけ痛みが走る。
かなり激痛だ。
手鬼「お前は後で喰ってやるからな、待ってろ」
にししし、と気持ちの悪い笑みを浮かべながら私を一瞥した。
ダメだ、あの少年が危ない…!
そう思った瞬間、彼は立ち上がった。
あの打撃を受けても、彼は立ち上がった。
彼から目が離せなかった。
鬼の頸を見事に落としたあと、
━━━━━━━彼は鬼の手を握り祈ったのだ。
「…!?」
『この人が今度生まれてくるときは、
鬼になんてなりませんように』
優しい、優しい色だった。
泣きたくなるほどに。
『大丈夫ですか…!?』
私に気づき、一目散に駆け寄ってくる。
『お怪我は!?』
「だ、大丈夫です…」
『よかったぁ…』
自分のことのように心配し、ホッと胸を撫で下ろす姿に
胸が鳴る私がいた。
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作者名:みやび | 作成日時:2020年4月5日 22時