ぬくもり2

心9 ページ45

亮平side


経管栄養からの注入もゆっくり入れれば問題なくできて、


栄養の部分は落ち着いた。


ただ、心の状態は結構深刻で・・・


俺たちの必死の声掛けで甘えてもいいってことは理解してくれたんだけど、


分離不安がかなりね。


誰か1人でも姿が見えないとだめってことじゃないだけましなのかもしれないけど、


1人は絶対にAと触れていないと泣き出しちゃって。


医療行為への不安も増したし、


だからって特に心臓の治療はやめられないし。


そのたびに泣かせて・・・


このままの状況を続けても、Aを追い詰めていくだけなんじゃないかって。


大我とも相談して、あの日できなかった退院をすることになった。


鼻のチューブは入れたままだし、心も安定してるとは言えない。


だけど家に帰ればAの気持ちも変わるんじゃないかってね。


幸いみんな小児科だから、調整しあって毎日1人以上はAと家にいれるようにした。


．


照「お家、帰ろうな？」


A「…ん…」


亮「忘れ物はない？」


照「うん、大丈夫。」


亮「よし、じゃぁ帰ろっか。」




Aを照が抱っこして、俺が荷物を持って、


8か月以上を過ごした病棟を出た。




A「・・・っっ！」


照「大丈夫大丈夫。(撫)」




外来に来たたくさんの人に怯えるたびに照が抱きしめてあげてて、


車に乗って俺たちの家へ。


これから新たなAと俺たちの生活が始まる。


辛い思いをしてきた分、いっぱい楽しいことしようね？


お兄ちゃんたちはずっとずーっとAのことだーいすきだよ？

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