ぬくもり2 (ページ43)

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心7 ページ43

辰哉side

それは数十分前。

Aの急変を知らせる連絡があったんだ。

行ってみると、Aに繋がれてる点滴が止められてて…

すぐにあいつの仕業だってわかった。

前涼太に怒られて反省したって思ってたけど、

この数日、こんな恐ろしいことをやろうって考えてたなんて。

これは医療スタッフの仲間としても、Aの兄としても、

決して許していいことじゃない。

．

照「なんでだよ・・・なんでいっつもAばっかり…」

入ってきたときは威勢の良かった照も、

俺が話を進めていくうちに肩を落として今にも泣きだしそうな顔に変わった。

Aにこんなことをした理由は、俺たちに対する好意からだったんだ。

俺たちのうちの誰かと付き合えれば、あわよくば結婚出来ればいいって思ってたんだって。

だから、俺たちに、そして康二や蓮にもちやほやされているAを許せなかったらしい。

辰「やめさせてもらうから。」

照「・・・うん。」

とんでもない行動ばかりしてきたナースは、上野指示でやめさせられることになった。

当然だよ、ここはそんな私情を持ち込んでいい場所じゃない。

子供たちの命を預かってるんだから。

照「・・・A…」

辰「起きてみないとわからないって。

ただコールを押すことも俺たちに甘えることも禁止されてたらしいから…」

今から思えば、ここ1週間くらいAと病室でゆっくり過ごすことが減ってたと思う。

気づいてやれなかった悔しさは、涙になって落ちた。