母からの愛7 ページ33
翔太side
翔「くそ、いないか…」
葉山さんが教えてくれた場所を中心に、
車を走らせること数十分。
一向にAの陰すら見当たらない…
焦りと不安ばっかりどんどん募ってるのは、
きっと照も同じなんだろう。
翔「他は?なんか言ってなかった?」
照「可能性は低いと思うけどって…」
翔「どこ?」
照「海。ほら、5駅ぐらい離れたとこの。」
翔「でも、A電車乗れないって…」
照「うん。だから可能性は低いって。
ただ、今のAの精神状態だと。」
翔「目的に向かって、か。
行ってみよ?」
海に行く目的…
怖くて想像もしたくないけど、ありえることだから。
いてほしいような、いてほしくないような、複雑な思いで車から降り、砂浜へ向かった。
.
照「えっ…!!」
翔「っあ!!」
そこで俺たちを待っていた光景は・・・
そうであってほしくないと願い続けていたものだった。
翔「A!!!」
手に持っていたカバンを放り出して、Aの元へ走る。
濡れるのもお構いなしに、海に飛び込み、Aを抱きしめた。
照はあまりの光景に動けなくなってるようだけど、今はAだ。
胸辺りまで浸かってしまっていた身体は冷え切ってて…
翔「A!A、わかるか?」
A「……しょ、くん…」
薄く開けられた瞳が、やっとぼんやり俺を捕らえた瞬間、
全身の力が抜けそうになって慌てて奮い立たせる。
翔「照!車戻るぞ。
辰哉に連絡して!?」
照「う、うん。」
医者の顔に戻った照が、弾かれたように電話を取り出し、
俺たちは車まで走った。
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ナナハ(プロフ) - さん» ありがとうございます。☺️ (2022年4月4日 11時) (レス) id: e700f054fe (このIDを非表示/違反報告)
- 好き! (2022年4月4日 11時) (レス) id: 1658b9265a (このIDを非表示/違反報告)
- (2022年4月4日 11時) (レス) @page4 id: 1658b9265a (このIDを非表示/違反報告)
ナナハ(プロフ) - 名無しさん» ありがとうございます。直しますね。 (2022年4月3日 13時) (レス) id: e700f054fe (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 件さってなってますよ (2022年4月3日 13時) (レス) @page3 id: 1658b9265a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナナハ | 作成日時:2022年4月2日 20時