ぬくもり2 (ページ31)

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母からの愛5 ページ31

照side

照「遅くない？」

辰「うーん・・・確かに遅いね。」

今日はAの最後の引っ越し準備の日。

朝病院を出発して、宝生で荷物をまとめて、

お昼前には病院に戻ってくるって言ってたはずなんだけど…

もう予定時刻を1時間も過ぎている。

辰「連絡ないんだよね？」

照「うん、ない。」

俺と辰哉はステーションでAと葉山さんを待ってるんだけど、

一向に来ないし連絡すらない。

翔「お疲れ。

あれ？Aは？」

照「翔太お疲れ。

Aまだなんだよ。」

翔「はっ！？え？遅くない？」

辰「連絡もないし、やっぱなんかあったとか…」

照「うーん…

・・・あっ、電話。もしもし？」

葉「照さんの携帯でお間違いないでしょうか？」

照「はい、そうです。

あの、何かあったんですか？」

電話の向こうの葉山さんの声が、すごい焦ってる。

葉「A様が琴葉様と会ってしまったようで…

お一人で病院に戻ると…」

照「えっ・・・まだ来てません。」

葉「やはりそうですか。

わたくしはこの辺りを探してみますので、もうしばらくお待ちいただけますか？」

照「・・・葉山さん、僕も探します。

Aの行きそうな場所、思いつきませんか？」

葉山さんからいくつか場所を聞いて、電話を切る。

辰「やっぱりなんかあった？」

照「母親と会ったらしい。

1人で戻ってくるって言って宝生出たって。」

翔「それ何時ごろ？」

照「11時半過ぎ。」

翔「マジかよ・・・」

照「俺探してくる。

Aのいそうな場所聞いたから。」

翔「俺も行く。」

辰「何かあったら連絡して？

準備するから。」

照「ん、よろしく。」

俺はコートとカバンを掴んで、翔太と車に飛び乗った。